Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
地球誕生間もない頃,金属核がマントルから分離した際にHfがマントルには入りやすく,核には入りにくいため,初期マントルには182Hfが壊変して生じる182Wが高くなり,核では182Wが低くなったとする仮説が提案されている。実際に27億年以上前のコマチアイトなどの182Wは高い。一方,ハワイ,サモアなどの海洋島玄武岩には低い182W値が報告されており,182Wが低い核の物質の寄与によるというモデルが示されている。本研究では,W同位体によって地球初期の地質プロセスに関する情報を取得し,その後現在までに至る深部マントルの進化を制約する。そのため,マグマオーシャンでのHf,Wの分配を第一原理計算で得る。