Project/Area Number |
22H01564
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
國枝 稔 岐阜大学, 工学部, 教授 (60303509)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
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Keywords | あと施工アンカー / 複合劣化 / 金属系アンカー / 接着系アンカー / 耐久性 |
Outline of Research at the Start |
インフラの機能向上のために,既設コンクリート構造物にあと施工アンカーを介して附属物を設置する場合がある.世の中には,多種多様なあと施工アンカー製品が使用されているが,現時点であと施工アンカーの寿命を適切に設定できるだけの知見もなく,いわゆる「耐久性設計」という概念さえもない.本研究では,土木分野にて使用される環境に鑑み,あと施工アンカー部の複合劣化(塩害,凍害,アルカリシリカ反応)を含む「劣化機構」を解明し,「劣化予測」に向けた知見を得るとともに,それを評価できる「促進試験方法の整備」までを行い,耐久性設計の概念を当該分野に定着させることを目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は単独の劣化機構下におけるあと施工アンカーの引抜挙動を実験的に検討した.具体的には,塩害,凍害,ASRによる劣化を生じさせたあと施工アンカー部を対象に静的引抜き試験により耐力を確認することを目的とし,各劣化を生じた供試体の作製ならびに初期値データを取得した. 塩害については,アンカーボルトの腐食による耐力低下に加えて,金属拡張式や金属拡底式については,コンクリートとの接触部における腐食の評価を行うために,塩水噴霧試験機(自作)を用いて,促進腐食試験を開始した.接着系アンカーと金属系アンカーの2種類のアンカーを対象としている. 凍害については,特に金属系アンカーにおいてアンカーボルトとコンクリートの孔壁との隙間に水が浸入し,穿孔部に滞留した水が凍結融解を繰り返すことで,アンカーの固着部のコンクリートが経時的に劣化することを想定している.凍結融解試験を開始し,凍結融解サイクルが100サイクルとなった時点で,引抜試験を実施予定である. ASRについては,コンクリートの劣化が直接的にアンカーの引抜き耐力に影響を確認するために反応性骨材とアルカリ添加によるASR促進試験を開始した.6ヶ月経過時点において,引抜き試験を実施したところ,接着系および金属系のいずれもアンカーも耐力が劣化前に比べて増加した.材齢の経過に伴うコンクリートの強度増加に加えて,鋼管に拘束されたコンクリートが膨張し,拘束効果によりアンカーの固着力が一時的に増加したと推察できる.引き続き劣化が進行した場合の耐力の変化を確認する予定である. 以上のように,耐久性確認のために劣化を再現するため各種促進試験等を開始し,劣化前の初期値および6ヶ月経過後のデータを取得し始めた段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画にある単独の劣化機構による耐久性の評価を行うため,各種供試体を作製および促進暴露試験等を開始できている.試験方法なども確立しているため,今後定期的にデータを蓄積する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で研究計画の変更は必要なく,本年度は劣化した供試体に対して疲労試験やクリープ試験を実施し,耐久性の評価を行う予定であり,昨年度に得られた劣化供試体の作製方法の知見および疲労試験等の知見を組み合わせて予定どおりの進捗が得られると考えている.
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