Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
遷移金属触媒を用いた有機化合物の変換反応において、真の活性種は配位子のみならず基質との高次的な反応場構築によって、系内で瞬間的に発生・反応・消失するため、その構造は多くの場合、前駆体や分析化学的手法から導かれる構造とは異なる。本研究では計算科学の融合によって不安定な活性種を可視化し、瞬間的に生じる活性種構造に基づいた新規触媒を提唱・合成し、安定化合物の高度分子変換を目標とする。プローブ反応として、貴金属-典型金属協同作用によって進行する単純炭化水素のホウ素化反応に倣い、配位子上での炭素-ホウ素結合形成を鍵とした、配向基不要な単純炭化水素類の高機能化に取り組む。