Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
植物プランクトンを基盤とした低次生態系は海洋における物質循環の生物過程を支配し、地球環境の恒常性と海産資源の供給に大きく貢献している。近年、海洋ウイルスがプランクトンの死滅に深く関与していることが指摘されており、物質循環を精度良く見積もる上でウイルスが生態系に果たす役割の解明は避けて通れない問題である。本研究では、海水中に溶存している宿主のリボソームRNAを新たな尺度として、真核性プランクトン群集に対するウイルス溶解感染を網羅的かつ定量的に解明する。これにより、海洋基礎生産力と物質輸送を支配する生物学的要因の一つが鮮明となり、地球システムの理解の飛躍的な進歩が期待される。