ロングリード技術を用いた統合ゲノム解析による中枢神経系胚細胞腫の病態解明
Project/Area Number |
22H02834
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
市村 幸一 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40231146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
岡田 随象 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70727411)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
|
Keywords | 中枢神経系胚細胞腫 / 脳腫瘍 / ロングリード / 全ゲノム解析 / ゲノムワイド関連解析 |
Outline of Research at the Start |
中枢神経系胚細胞腫は小児から思春期・若年成人に好発し、小児で2番目に頻度の高い悪性脳腫瘍である。本研究では約30例の中枢神経系胚細胞腫に対してロングリード技術を用いた全ゲノムシークエンスを行い、点突然変異・ゲノム構造異常からトランスポゾン・DNAメチル化まで、網羅的なゲノム・エピゲノム解析を行い、発生機序を解明する。得られた所見は多数の中枢神経系胚細胞腫の臨床検体を用いてバリデーションを行う。また400例あまりの中枢神経系胚細胞腫に対して、ゲノムワイドにSNP解析を行い、胚細胞腫発生と関連する遺伝子多型を探索する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
順天堂大学で保管している胚細胞腫コンソーシアムまたはJCCG中央診断の余剰検体から、非ジャーミノーマ胚細胞腫を中心に中枢神経系胚細胞腫 27例の凍結手術検体とマッチした血液DNAに対し、PromethIONを用いたロングリードシークエンスを研究分担者である東京大学大学院新領域創成科学研究科鈴木穣教授の研究室で行った。一部は先進ゲノム支援の支援のもとに行われた。腫瘍と血液DNA合わせて54検体については、DIN値の平均は7.9と比較的DNAのインテグリティは保たれていた。解析が完了した16検体については、全リード塩基数は平均106Gb、N50は平均9.7kbだった。Read depthは平均36だった。これらについては先行研究においてショートリードの全ゲノム解析とRNAシークエンスが行われており、ロングリード解析データとの比較を進めている。また、日本人健常対象集団と比較して有意な頻度差を示す多型を検索し、中枢神経系胚細胞腫の遺伝要因を同定する目的で、アジア人に多い塩基多型を集めたマイクロアレイ(Infinium Asian Screening Array)を用いてゲノムワイド関連解析を行うため、胚細胞腫コンソーシアムまたはJCCG中央診断の余剰検体として保管されている400例あまりの中枢神経系胚細胞腫からDNAの抽出・定量を行った。さらに、順天堂大学で摘出されたCNSGCT(奇形腫)の新鮮手術検体1例に対して初代培養を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍にマッチした血液DNAが存在し、ロングリード解析に十分量なDNAが得られた検体は27例であり、当初の目標を十分達成できたと考える。これらについては全例ロングリード解析が行われており、研究課題は順調に進捗していると考えられる。ゲノムワイド関連解析については、当研究室で管理する400例あまりの中枢神経系胚細胞腫凍結検体からDNAの抽出を進めており、こちらも順調に進捗している。初代培養については令和4年度は1例の検体が得られ、細胞は順調に増殖を続けている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は27例の中枢神経系胚細胞腫のロングリード解析を進め、染色体間または染色体内の転座・広範な欠失や挿入・クロモスリプシスなどの構造解析や全ゲノム的なメチル化解析を進めるとともに、先行研究で得られたショートリードによる全ゲノム解析のデータと比較しながら、全ゲノムで蛋白翻訳領域・プロモーター・エンハンサー・ノンコーディングRNAなどの点突然変異を調べる予定である。ゲノムワイド関連解析については、令和5年度中にDNA抽出を完了し、マイクロアレイ解析を行う予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)