個細胞空間的degradome解析に基づくプロテアーゼを介したがん免疫制御の解明
Project/Area Number |
22H02854
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
下田 将之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70383734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 健一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20348791)
大塚 崇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40306717)
西村 知泰 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 准教授 (90348649)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
|
Keywords | がん微小環境 / プロテアーゼ / 腫瘍免疫 / 空間的発現解析 / 細胞外マトリックス / 線維芽細胞 |
Outline of Research at the Start |
がん免疫療法は悪性腫瘍に対する革新的な新規治療薬として注目を浴びているものの、がん免疫がどのように誘導されるかについては未だ不明な点も多く、がん免疫とプロテアーゼとの関連についてもほとんど解明されていないのが現状である。本研究課題では、がん免疫とプロテアーゼ・細胞外マトリックス代謝との新たな接点を見出し、がん微小環境形成機序の理解を深めるとともに、本知見をもとにより効果的ながん免疫治療法の探索を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
がん免疫療法は悪性腫瘍に対する革新的な新規治療薬として注目を浴びているものの、その主体をなすがん免疫微小環境形成機序については未だ不明な点も多く、がん免疫制御に関わるプロテアーゼの役割についてはほとんど解明されていないのが現状である。本研究課題では、がん免疫制御に関わるプロテアーゼの同定、プロテアーゼの主要な産生源である腫瘍間質細胞の多様性とプロテアーゼ発現パターン解析、その空間的degradome解析を遂行・統合することにより、腫瘍免疫とプロテアーゼ・細胞外マトリックス代謝との新たな接点を見出し、がん微小環境形成機序の理解を深めることを目的とする。本年度は、マウス由来がん関連線維芽細胞(cancer-associated fibroblast: CAF)およびヒトがん間質組織のマイクロアレイデータを用いた網羅的解析から、腫瘍間質特異的に誘導され、CAF腫瘍促進性形質維持に直接関わるプロテアーゼ候補分子の同定を行った。その遺伝子改変マウスを用いた検討から、既に一部の候補分子ががん免疫制御に深く関与する可能性を見出しており、現在得られた結果を取りまとめ論文作成を進めている。また、ヒト肺がん組織から単離・培養したCAFの生物学的機能解析、トランスクリプトーム網羅的発現解析、臨床病理学的解析を統合し、CAFの層別化・分類を行った。これまでの解析から、生物学的腫瘍促進能が高いCAFに特異的な病理形態学的変化や遺伝子発現パターンを見出しており、現在その機能解析を進めている。今後シングルセルレベルでのCAFの細分類を行い、様々な因子と紐づけされたCAF集団の同定およびプロテアーゼ発現パターンを含む各細胞集団の細胞特性を明らかにしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の計画のもと、ヒト肺がん由来CAFを用いて、マスサイトメトリー(CyTOF)解析を行い、種々の因子と紐づけされた多様なCAF集団の同定を進めている。しかしながら、CyTOFでは標的分子が膜タンパクのみによるCAF集団の層別化となるため、CAF全体の多様性解析には限界があるのが現状である。シングルセルRNA-seq解析の汎用化とともに、昨年度末より研究代表者の研究室においても、これまでに公開されているシングルセルRNA-seqデータを自ら解析することが可能となり、様々な角度から精度の高い検証を行うことが可能となっている。「マスサイトメトリーを用いたCAF多様性とプロテアーゼ発現パターンの解明」の項目に関しては、現在今後の研究計画の更なる改善を検討しており、進捗がやや遅れているが、早急に解析を進めていく予定である。一方、「プロテアーゼを介した組織内微小環境因子代謝によるがん免疫制御機構の解明」に関する研究では、これまでに同定したがん免疫制御に関わる候補分子の遺伝子改変マウスを用いて、がん免疫微小環境形成におけるプロテアーゼの関与とそのメカニズムの解明を行った。本研究項目については順調に解析が進んでおり、現在得られた結果を取りまとめ論文作成を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の「マスサイトメトリーを用いたCAF多様性とプロテアーゼ発現パターンの解明」の項目に関して、当初の計画のもと、ヒト肺がん由来CAFを用いて、マスサイトメトリー(CyTOF)解析を行い、種々の因子と紐づけされた多様なCAF集団の同定を進めている。しかしながら、CyTOFでは標的分子が膜タンパクのみによるCAF集団の層別化となるため、CAF全体の多様性解析には限界があるのが現状である。シングルセルRNA-seq解析の汎用化とともに、昨年度末より研究代表者の研究室においても、これまでに公開されているシングルセルRNA-seqデータを自ら解析することが可能となり、様々な角度から精度の高い検証を行うことが可能となっている。現在今後の研究計画の更なる改善を検討しており、当初計画していたCyTOF解析とともに、シングルセルRNA-seq解析を実施することにより、より詳細なCAF集団の同定とその細胞特性を明らかにすることが可能と考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Impact of neoadjuvant bevacizumab on neuroradiographic response and histological findings related to tumor stemness and hypoxic tumor microenvironment in glioblastoma: Paired comparison between newly diagnosed and recurrent glioblastomas.2022
Author(s)
Takei J, Fukasawa N, Tanaka T, Yamamoto Y, Tamura R, Sasaki H, Akasaki Y, Kamata Y, Murahashi M, Shimoda M, Murayama Y.
-
Journal Title
Front Oncol
Volume: 12
Pages: 898614-898614
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-