Project/Area Number |
22H02886
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新田 剛 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (30373343)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
|
Keywords | 胸腺 / T細胞 / 微小環境 / 免疫 / ストレス / ストロマ細胞 |
Outline of Research at the Start |
胸腺のストロマ細胞は、T細胞の生成と抗原認識能の決定に重要な役割を果たしている。胸腺ストロマ細胞は加齢や妊娠によって変化し、胸腺の退縮とT細胞生成能の低下をもたらし、感染症や自己免疫疾患の増加の一因となる。本研究では、マウスをモデル動物として、胸腺の退縮をもたらす胸腺ストロマ細胞の量的・質的な変化を同定し、その分子機構を明らかにする。特に、T細胞の抗原認識への影響とその生理的意義を検証し、老化現象を免疫発生の観点から再考する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
胸腺のストロマ細胞は、T細胞の生成と抗原認識能の決定に重要な役割を果たしている。胸腺は加齢や妊娠やストレスによって退縮し、これがT細胞生成能の低下をもたらす。しかし、胸腺退縮の要因となる胸腺ストロマ細胞の変化の実体は明らかになっていない。本研究ではマウスをモデル動物として、胸腺退縮の鍵となる胸腺ストロマ細胞およびその機能分子を同定し、胸腺退縮のしくみを分子レベルで解明する。また、胸腺の退縮がT細胞機能に与える影響をTCRの抗原認識能の観点から理解することをめざす。 野生型マウスの若齢期と老齢期の胸腺ストロマ細胞を解析し、遺伝子発現プロファイルを得た。遺伝子改変マウスを用いて、通常は分離困難なストロマ細胞集団を分けることにも成功した。退縮時の胸腺ストロマ細胞の変化の全容が明らかになりつつある。また、老齢期の胸腺には、若齢期にはみられないTCRクローンをもつT細胞が検出された。老齢期では負の選択が障害される可能性について検証を進めている。 胸腺退縮の制御因子候補について、cKOマウスを作製した。また、特定の胸腺ストロマ細胞の役割を調べるため、標的遺伝子の下流にloxP-pA-loxP-DTAを挿入したノックインマウスを作製し、Cre系統との交配により目的のストロマ細胞を特異的に除去するcell ablationマウスを樹立した。これらのマウスの表現型解析を進めると同時に、上記の解析で見出された遺伝子や細胞集団の機能を解明するための遺伝子改変マウスの作製に着手している。 さらに、独自のTCRシーケンス解析法を用いて、老齢期の胸腺におけるTCRレパトアを解析した。退縮期のTCRレパトアは、負の選択が障害された状態と近い傾向を示した。今後、pMHCテトラマー染色やシングルセルTCR-seq解析によって、TCRの抗原認識がどのように変化しているかを精査してゆく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①胸腺退縮に伴う胸腺ストロマ細胞群の変化:野生型マウスを用いて、若齢期と老齢期の胸腺ストロマ細胞を単離し、フローサイトメーターで解析した。これまで分離困難であった血管壁細胞についても、Myh11-Creマウスを用いてペリサイトと血管平滑筋細胞に分離し、RNAseq解析により遺伝子発現プロファイルを得た。ストレスホルモンによる退縮期の胸腺ストロマ細胞についてはシングルセルRNAseqを行い、mTECの特定の集団が顕著に変化することを見出した。 ②胸腺退縮の責任ストロマ細胞の探索と特徴づけ・機能分子の同定:胸腺退縮の制御因子候補であるFasについて、TEC特異的または間葉系細胞特異的なcKOマウスを作製した。また、特定の胸腺ストロマ細胞の役割を調べるため、標的遺伝子の下流にloxP-pA-loxP-DTAを挿入したノックインマウスを作製し、FoxN1-Cre系統との交配により目的の細胞を特異的に除去するcell ablationマウスを樹立した。現在これらのマウスの表現型解析を進めている。 ③胸腺退縮の生理的意義・TCRレパトアへの影響:TCRシーケンス解析法を用いて、老齢期の胸腺におけるTCRレパトアを解析した。退縮期のTCRレパトアは、負の選択が障害されたBim欠損マウスのそれと近い傾向を示した。
|
Strategy for Future Research Activity |
①胸腺退縮に伴う胸腺ストロマ細胞群の変化:ストレスホルモンによる退縮から回復中の胸腺を対象とし、ストロマ細胞のシングルセルRNAseqを行う。特に、退縮に伴って激減したmTECの数と機能の回復を精査し、T細胞分化の回復とずれが生じる可能性を検証する。 ②胸腺退縮の責任ストロマ細胞の探索と特徴づけ・機能分子の同定: Fas-cKOマウスの表現型解析を進める。また、前年度に確立した技法を用いて、退縮や回復に伴って変動するストロマ細胞を特異的に除去するcell ablationマウスを作製する。 ③胸腺退縮の生理的意義・TCRレパトアへの影響:TCRシーケンス解析法を用いて、胸腺に退縮期と回復期、および上記のモデルマウスにおけるTCRレパトアを解析する。研究展開に応じて、pMHCテトラマーを用いて特定の抗原特異的T細胞を検出・単離し、シングルセル解析によりTCRクロノタイプの変化を精査する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Periosteal stem cells control growth plate stem cells during postnatal skeletal growth2022
Author(s)
Tsukasaki M, Komatsu N, Negishi-Koga T, Huynh NC, Muro R, Ando Y, Seki Y, Terashima A, Pluemsakunthai W, Nitta T, Nakamura T, Nakashima T, Ohba S, Akiyama H, Okamoto K, Baron R, Takayanagi H
-
Journal Title
Nat Commun
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 4166-4166
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-