Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
化学物質に頼らない水稲の無農薬栽培は、持続型農業として注目を集めているが、施肥法によっては水田の生物多様性と米の品質の低下をもたらすことがある。本研究では、最初に、広域調査を行い、土壌窒素含量と生物群集の関係性を調べる。次に、安定同位体分析、消化管内容物分析、DNAメタバーコーディングを用いて、捕食者の栄養ニッチと食性を明らかにする。さらに、野外操作実験を通じて、窒素を起点としたボトムアップ制御の視点から水田の食物網の成立機構を解明し、施肥法の違いが水田の生物多様性と米粒品質に与える影響を明らかにする。以上をもとに、生物多様性保全と高品質米の生産を両立する無農薬・低窒素投入型施肥法を提言する。