Hopes for Social Mobility, Demands for Wealth Redistribution: Ethnographies of African Urban Middle-class Bottom
Project/Area Number |
22H03833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
白石 壮一郎 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (80512243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
萩原 卓也 東洋大学, 健康スポーツ科学部, 助教 (80803220)
岡本 圭史 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90802231)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,730,000 (Direct Cost: ¥12,100,000、Indirect Cost: ¥3,630,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 可視化される都市社会階層 / プレカリティ / 社会移動 / 機会主義 / 生活世界/想像界 / 噂・ゴシップ / 友人関係 / 盗み・賄賂 / SNS / 富の不均衡 / 社会保障 / 公共空間 |
Outline of Research at the Start |
2010年代以降、中間層の拡大による「南の世界の台頭」が言われる。アフリカ諸国においても、大都市部に「新興中間層」と呼ばれる人びとが出現した。本研究は、この新興中間層のボトム(最下位周辺)の視座に定位し、中間層中上位の消費生活が体現する富や社会移動に対するかれらの態度、国家政府・国際NGOなどによる再配分・配分にはたらきかけるかれらの実践について明らかにする。具体的には活動、語る内容や、それらが表現・共有される場面、コミュニケーションの手段・範囲についての事例を記述・収集していく。これを通してかれらが日常でおこなう実践的な政治について検討し、現代アフリカ都市の市民社会分析を基礎づける。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、共同研究メンバー4名が従来の現地調査で得た知見のうち、現地・調査対象の状況と本研究課題との関わりについて確認していくべく、4月-7月の期間にオンラインで2-3時間の研究打ち合わせを計5回もった。これをふまえ、8月から9月(ウガンダ共和国)、および3月(ケニア共和国)に各自が現地調査をおこなった。
3月には年度末の調査中間報告会を開き、今後各自が扱うトピック案をしめし、全体研究課題を部分的に修正した。たとえば、当初は中高等教育大衆化によって増大した中間層予備層(中間層ボトム)は公用語である英語による文書コミュニケーションに親和的で、公的セクターから社会政策による再配分の顕在的・潜在的要求をもつだろうと想定した。しかし、常勤職にある者など一部を除いては公的セクターや海外援助機関などからの再配分システムへのアクセスを試みる事例はほぼみられなかった。それよりも、親族間のパトロン-クライエント関係、妖術など伝統的な部類の再配分や盗み・賄賂などインフォーマルな経路での再配分などに依然として関心が示されていることがわかった。むしろこれらの枠組みのなかで親族間のパトロン-クライエント関係の管理、都市における妖術的なものの語り、盗みや賄賂などへの両義的評価など従来の理解枠組みとみえるもののなかでどのように新規の状況にともなうトピックを扱っているかに着目していくことが本研究課題のために有益である。そのほか、セカンダリ・大学卒の中間層ボトムの結婚戦略や(相対的上層である中間層ふくむ)交友関係、アラブ諸国への若年女子「出稼ぎ」に関する言説なども、注目すべきトピックとして挙げられた。これらのトピックは、近年のアフリカ研究で議論がさかんな婚活アプリ・SNSによるコミュニケーションへの評価や、(南アを中心に研究がおこなわれている)black taxと中間層の脆弱性という問題系に接続しうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19パンデミックおよび政治経済不安による治安悪化などがないかぎり、各メンバーとも設定したトピックに関する現地調査をおこなう。現地調査が困難な場合は、関連する近年の研究文献の検討をおこなう研究会をもつ。
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Strategy for Future Research Activity |
本共同研究は全体で4年間の計画であり、2年目にあたる2023年度までは、現地調査によるデータの収集と整理とに全力傾注する。つまり、2022年度と同じくウガンダ共和国(椎野・白石)、ケニア共和国(岡本・萩原・椎野・白石)にて現地調査をおこない、前後して調査計画打合せや調査データ整理の中間報告会を複数回もつ。2024年度、2025年度は、前半2年間の調査データを利用した成果を、国際学会等で口頭発表し、論文として公刊する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)