中等教育理科における「変異」の理解を目指した教材開発および授業デザイン研究
Project/Area Number |
22H04101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
UCHIYAMA CHIEKO 筑波大学, 附属駒場中学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
Fiscal Year 2022: ¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
|
Keywords | 変異のパターン / 高等学校生物実験 / 簡易DNA抽出法 / Wx遺伝子 / GW5遺伝子 / イネの胚乳 |
Outline of Research at the Start |
昨今の新型コロナウイルス感染拡大やオミクロン株等の変異ウイルスの出現により、着目されるようになった「変異」は、生物の進化には不可欠な概念である。しかし、高校生の認識は曖昧であり、さらに、約5割の生徒が「変異」に対して暗いイメージを抱いている。本研究では、高等学校生物基礎や中学校理科の授業にて「変異」の理解を促す機会の設定を目指し、同時に、新学習指導要領でも求められている知識の伝授に止まらない学習者の思考力・判断力・表現力を育むことも念頭に置きながら、「変異」について、「イネの遺伝子」と「ウイルス」を題材とした教材開発及び授業デザインの検討を行っていく。
|
Outline of Final Research Achievements |
本研究では,mutationによってvariationが得られることを生徒が学習することを目的とし,イネの形状に関与する遺伝子(GW5)と,アミロース含有量に関与する遺伝子(Wx)を題材とした実験教材の開発を行った。生徒による実験を行うために,市販の精米からDNAを抽出する方法を検討し,コンタクトレンズ用タンパク質分解酵素を用いる簡易法でDNAを抽出できることが分かった。簡易法で抽出した5種類のイネの胚乳のDNAを鋳型として,今回,設計したWx遺伝子の多型の一つであるWx-a検出を含む4種類のプライマーを用いてPCR法により増幅し,電気泳動法にて5種類のイネの配列の差を確認することができた。
|
Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
遺伝学geneticsを学ぶ上でvariationの概念の習得は重要である。本研究で検討した5種類のイネの胚乳の遺伝子に着目する授業を実施することで,塩基の欠失,重複,一塩基置換といった変異のパターンと,一塩基置換によるスプライシングへの影響についての学習が期待される。生徒による実験終了後の振り返りでは,「変異」に対するイメージに変化が見られ,また,変異に関する興味関心だけでなく新たに生じた問いの記載が みられたことから,mutationからvariationを学ぶ教材としての可能性が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)