行動経済学的アプローチによるジェンダー教材の開発とその効果の実証研究
Project/Area Number |
22H04119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
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Research Institution | 東京都立農業高等学校 |
Principal Investigator |
Hanawa Eriko 東京都立農業高等学校, 主幹教諭
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2022: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | 行動経済学 / ジェンダー / アンコンシャス・バイアス / リンダ問題 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、行動経済学的アプローチによるジェンダー教材を開発し、その効果を分析するものである。学校現場では人権教育プログラム等で多様性やジェンダー平等が謳われているが、理念提示に留まっている現状がある。これについて、I.Bohnetらは私たちの意思決定が無意識にジェンダー・バイアスを受ける仕組みを明らかにし、行動経済学的アプローチによる解決を提案している。本研究者は、日本の教育現場でもこれが援用できるのではないかという問題意識のもと「行動経済学的アプローチによって、ジェンダー・バイアスを取り除くことができる」という仮説を立て、高等学校における教材を開発・実践することを通して検証することとした。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究は行動経済学の見方・考え方を活用したジェンダー教材を開発し、授業実践を行い、生徒の変容を捉えるものである。これまのジェンダー教材は正しい知識・技能を習得すればジェンダー平等が解決に向かうことを前提としており、無意識的なバイアスがあるために格差が存在することには踏み込まれていなかった。筆者は行動経済学の見方・考え方を授業に取り入れることで生徒が社会的事象をより深く捉えられるという仮説のもと、教材の開発・実践及び検証を行なった。研究の結果、教材の一定の有用性を確認できたが、深化させる余地が多分にあることが明らかになった。より精緻な授業の効果測定とジェンダー教材の充実を今後の課題としたい。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究の成果は二点ある。第一に、これまで行われてこなかった行動経済学の知見を用いたジェンダー教材を開発、実践したことである。第二に、多くの生徒が無意識に根付く固定観念やジェンダー平等を実現する困難さを理解し、格差解消の政策提案ができたことから、授業の一定の有用性を確認できたことである。 ジェンダー格差がなくならないことは無意識のバイアスだけで説明できるものではないが、行動経済学の知見を用いることで社会的事象をより現実に即して捉え、その上でどのようなことが出来るのかを提案できるようになることが検証できた。今後は内容の深化と対象範囲の拡大を追跡研究の対象としたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)