Project/Area Number |
22H04273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3120:Biology at molecular to cellular levels, biology at cellular to organismal levels, biology at organismal to population levels and anthropology, neuroscience and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
Sato Aya 九州大学, 基幹教育院, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | ヒドラ / 睡眠 / 薬剤 / スクリーニング |
Outline of Research at the Start |
一般的に睡眠は脳で制御されている。しかし申請者らは、脳を獲得する以前の動物群である刺胞動物のヒドラにも睡眠現象が存在することを発見した。その制御因子は他の動物の睡眠制御因子と共通していることから、ヒドラをモデルとした睡眠研究を通し、新規の睡眠制御因子(機構)の発見を目指している。本研究では、薬剤を用いた表現型スクリーニングを実施する。本研究で得られた睡眠制御因子が他の動物でも睡眠制御因子として機能しているのかどうかを検証していくことで、ヒトを含めた高等動物の睡眠研究の発展に寄与しうると考えている。
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Outline of Final Research Achievements |
本研究では、刺胞動物であるヒドラの睡眠制御機序の解明を目指し、薬剤を用いた行動スクリーニングを実施した。約400種類の薬剤を用いた1次スクリーニングから約40種類の薬剤が選ばれ、2次スクリーニングをおこなった。最も効果的な薬剤は、生物に保存された細胞内シグナル伝達経路に作用することが明らかになった。今後は、より詳細な解析により、本シグナル伝達経路の機能や特性と原始的な睡眠制御の関係を明らかにしていく予定である。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
睡眠は脊椎動物に普遍的に見られる生理現象であり、その制御は脳によって行われることが広く認識されている。しかし、脊椎動物は複雑な脳構造を有することから、睡眠研究では常にこの複雑性と対峙する必要がある。そこで、脳を持つ以前の刺胞動物を用いることで、より簡便に睡眠の基本原理を理解できるのではないかと考えている。本研究成果は、睡眠の進化的な起源を理解する上での重要な手がかりとなり、それをもとにマウスやヒトにおける睡眠研究に展開することで、医学的な貢献が期待できる。また、本成果は睡眠に関する基礎知識を拡充するだけでなく、睡眠障害や関連疾患の治療法や予防策の開発にも繋がる可能性も秘めている。
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