Project/Area Number |
22H04299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
Nakao Yuko 大分大学, 医学部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥410,000 (Direct Cost: ¥410,000)
Fiscal Year 2022: ¥410,000 (Direct Cost: ¥410,000)
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / オピオイド / 癌性疼痛 / プロスタグランジン |
Outline of Research at the Start |
2人に1人がなると言われる癌の症状のうち、痛みは患者の生活の質を大きく下げるものである。近年、免疫チェックポイント阻害剤という新しい抗癌剤が開発され、多くの癌患者に使われているが、当院ではその薬を使用した患者において、痛みのコントロールが悪くなる方を数名確認した。そこで、この薬を使用した患者と使用していない患者のオピオイド(痛み止めの一つ)の使用量を調べ、比較することとした。 また、過去にマウスの研究で免疫チェックポイント阻害剤を使用した際に血液中のプロスタグランジンE2と呼ばれる痛み物質が増えることが報告されていたため、当院の患者においても同じような現象が起こっているかを調べることとした。
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Outline of Final Research Achievements |
この研究では、近年開発された抗癌剤である免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の投与が、オピオイド(痛み止めの一種)の痛みを抑える効果に与える影響を調べた。当院において、オピオイドを服用中に抗がん剤治療が始まった患者を対象に、治療開始前後におけるオピオイドの1日あたりの投与変化量を調査した。対象患者をICI投与群および非投与群に分類し、統計学的な解析を行い比較したところ、投与変化量はICI投与群25.0 mg、非投与群15.0 mgであり、ICI投与群において有意に大きかった。 以上より、ICIの投与がオピオイドによる痛みを抑える経路に影響を与え、痛みの悪化に関わっている可能性が考えられた。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
今回、ICIの投与がオピオイドによる痛みを抑える経路に影響を与え、痛みの悪化に関わっている可能性が考えられた。このことはこれまではっきりと調べられていなかったことであり、新たな発見だと考えられる。 また、今後はICIがどのようにしてオピオイドの効果を減らしているかを詳細に調べることにより、ICIを使ったがん患者の痛みの悪化に対する新たな対策を立てることができるようになると考えられる。
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