Project/Area Number |
22H04358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3190:Biomedical structure and function, pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
Nakano Keiichi 北海道大学, 大学病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | 自己抗体 / マクロトロポニン |
Outline of Research at the Start |
トロポニンTやIは急性冠症候群の診断に有用であるが、申請者はトロポニンTとIの測定値が乖離する症例に遭遇し、トロポニンとIgGが結合した複合体に起因していることを突き止めた。 本研究では、トロポニン-IgG複合体の実態調査と症例を時系列で追跡し、複合体がトロポニンTやIの測定値に与える影響を調べることを目的とする。 本研究によって、トロポニンTとIの差別化やトロポニン-IgG複合体に影響されない測定試薬の開発に繋がり、トロポニン測定の信頼性の向上に寄与すると考えられる。
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Outline of Final Research Achievements |
血中ではトロポニンI(cTnI)とトロポニンT(cTnT)が心筋障害を反映するバイオマーカーとして測定され、cTnIとcTnTに対する自己抗体が存在することが知られている。 本研究において、自己抗体はcTnIで15.4%、cTnTで1.9%に認められた。また、自己抗体の有無でcTnI/cTnT比に統計学的な有意差は認められなかった。 本研究からcTnIに対する自己抗体がcTnTと比較して高頻度に認められることが明らかになったが、自己抗体はcTnIとcTnTの測定値の差を増大させるものではないと考えられた。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究において、自己抗体がcTnI-C複合体に結合するとcTnIの測定値、cTnI-T-C複合体に結合するとcTnIとcTnTの測定値に影響している可能性が示唆された。また、cTnIに対する自己抗体がcTnTと比較して高頻度に認められることが明らかになった。しかし、自己抗体の有無でcTnI/cTnT比に統計学的な有意差は認められなかった。 従来から自己抗体が両者の測定値に起因していると考えられていたが、本研究の結果は、自己抗体の存在が必ずしもcTnIとcTnTの測定値の差を増大させるものではないことを示唆している。
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