Project/Area Number |
22H04408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3250:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
Ishibashi Kiyoshige 茨城県立医療大学, 付属病院, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2022: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | 体性感覚障害 / ロボットリハビリテーション / 歩行障害 / 脳卒中 / 筋シナジー解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ロボティクスを用いた歩行練習が,脊髄の歩行中枢を賦活し歩行に関わる神経回路網を強化することで,感覚障害を伴う脳卒中患者の歩行障害を改善させるかを検証する. 従来,感覚障害を伴う歩行障害には,視覚代償を用いた介入が行われているが,その効果は限定的であることが多い.本研究は,これまでの治療戦略とは異なり,ロボティクスを用いて「歩行中枢を賦活」する歩行練習を提供し,歩行に関わる神経回路網を強化することで,更なる歩行能力の改善を目指す.また,介入に伴い変容する筋活動を筋シナジー解析を用いて評価し,歩行中枢の活動を検証することで,歩行障害の改善の背景にあるメカニズムを明らかにすることを目指す.
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Outline of Final Research Achievements |
歩行支援ロボットを用いた歩行練習(WART)が,脊髄の歩行中枢を賦活し歩行に関わる神経回路網を強化することで,体性感覚障害を伴う脳卒中患者の歩行障害を改善させるかを検証した.重度の体性感覚障害を有する慢性期脳卒中患者1例に対し,WARTを15回実施した.介入後に歩行速度が増大し,歩行中の麻痺側下肢運動が一部正常な運動パターンに近づく所見を認めた.その一方で,歩行中の筋活動に関する筋シナジー解析の結果に著名な変化は認めなかった. 以上より,体性感覚障害を伴う脳卒中患者に対するWARTは,歩行能力を向上させるが,その背景として歩行中枢の活動変化が関与している可能性は否定的であることが示唆された.
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
脳卒中後に体性感覚障害を呈した患者は,下肢の位置や運動方向を知覚できず歩行が困難となる.この問題に対し「脊髄に損傷のない脳卒中患者において,脊髄に存在する神経回路網であり脳から独立して歩行運動を惹起する歩行中枢を賦活することで,歩行能力の向上が図れる」という作業仮説を立てた.本研究では,歩行中枢の賦活が知られている歩行支援ロボットを用いた歩行練習(WART)が,歩行中枢を賦活し関連する神経回路網を強化することで,体性感覚障害を伴う脳卒中患者の歩行能力を向上させるかを検証した. その結果,WARTは歩行能力を向上させるが,その背景として歩行中枢が関与している可能性は否定的であることが示唆された.
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