Project/Area Number |
22H04952
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section C
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 健司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50202263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 幸二 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10180324)
冨浦 洋一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10217523)
興 雄司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10243908)
竪 直也 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30466784)
佐々 文洋 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30722681)
石田 寛 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80293041)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥192,400,000 (Direct Cost: ¥148,000,000、Indirect Cost: ¥44,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥41,600,000 (Direct Cost: ¥32,000,000、Indirect Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2023: ¥39,650,000 (Direct Cost: ¥30,500,000、Indirect Cost: ¥9,150,000)
Fiscal Year 2022: ¥53,560,000 (Direct Cost: ¥41,200,000、Indirect Cost: ¥12,360,000)
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Keywords | ガスセンサ / ロボット / 人探索 / 時空間揺らぎ / 匂いセンサ / ハイパースペクトルイメージング / 偏光回転素子 / センサロボット / 時空間ゆらぎ / プラズモニックガスセンサ / ハイパースペクトル |
Outline of Research at the Start |
匂いなどの揮発性化学物質情報を光情報に変換する光化学ナノプローブを2次元展開し、匂いの流れや痕跡などの空間分布を見ることができるデバイスを開発し、化学物質空間を高速・高感度、かつ高い空間分解能で可視化する。この化学イメージングデバイスは化学物質情報をハイパースペクトル情報に変換し、多種多様な匂い物質情報を網羅的に取得できる。さらに、開発したセンサデバイスの機能実証研究として、匂い情報キュレーションロボットを構築し、ガス源探索(重要例:危険物漏洩、災害現場での人探索)を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究開発の3レイヤ(opto-chemicalプローブ、2次元プラズモニックガスセンサとハイパースペクトルイメージング、 可視化ガス時空間画像の解析とセンサロボット開発)について実績を説明する。1) ガス認識ホスト材料ではカーボン量子ドットと人工ペプチドホストを組み合わせたプローブを開発した。LSPR/SERSガスセンサの開発では2次元ガスセンサをスパッタとインクジェット印刷で作製し、ハイパースペクトル情報により疑似カラー表示で16種のガスの広がりの可視化と識別に成功した。SERSセンサではコロイド合成による高感度SERS基板の作製に成功し、NMF(非負値行列分解)と畳込neural networkで複数のガス分布形状を分離推定した。フレキシブルセンサではインクジェット印刷でガス応答が異なるセンサピクセル構造を持つLSPRガスセンサを開発した。また、フレキシブルセンサの微小凹凸構造で方向異方性を付与し、匂い風向の可視化に成功した。2)高速ハイパースペクトルイメージングでは光子ブリーディング現象に着目し、新しい偏光回転素子の画素デバイスを試作し、Verdet定数換算で+320%の偏光回転量の向上に成功した。3)導入済みのロボットに搭載可能なセンサユニット(大気中のガスプルームの動的空間分布可視化モード、地面匂い痕跡形状可視化モードを有する)を開発した。また、2次元LSPRガスセンサにより地面の匂い痕跡可視化モードで匂い痕跡形状の可視化に成功した。匂い分布の時空間解析ではハイパースペクトル出力画像から複数ガスが混合する環境で、目的ガスの2次元的濃度分布をNMFにより得た。ロボット制御用ガス流れ解析ではガス位置推定アルゴリズムの検討を行った。また、ガス分布を再現するシミュレータを開発し,変動する風に運ばれ,不規則に蛇行しながら風にたなびくガス分布の再現に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ガス分子認識機能材料、opto-chemicalプローブ開発と2次元プラズモニックガスセンサ、各種センサを搭載したロボット用ガス可視化センサユニット、プラズモニックガスセンサ特性を持つインクジェット用インク、フレキシブルガスセンサ基板の開発、2次元プラズモニックガスセンサによる複数のガスが混在する時空間分布の可視化、ハイパースペクトル情報として記録されたガス分布の解析、ロボットプラットフォームの構築と匂い源探索制御に関する研究開発については、いずれも順調に進捗している。高速ハイパースペクトルイメージングデバイス用偏光回転素子の基礎研究では偏光回転角について大きな性能向上を達成した。また、LSPRフレキシブルガスセンサについてはガス風向風速計の実現の見通しが立ち、ガス源探索に用いることができる新たな情報の生成に成功した。インクジェットによるピクセル構造を持つガスセンサの開発に成功し、ハイパースペクトル情報と合わせて、ガス種に関するセンサ情報量の大きな増大に成功している。以上、当初の研究計画で想定した以上の進捗を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)分子選択材料ではグラフェン量子ドットを加え、引き続き人関連ガス分子認識能を持つ材料研究を行う。LSPRセンサではスパッタ法に加え、SERSセンサと同じコロイド溶液Au/AgNPsを導入し、高密度ナノ粒子構造を持つインク調整、プラズモンカップリングする機能材料を導入する。2)偏光回転現象の波長依存性・偏光依存性の検証を継続し、高速性・波長分解能・空間分解能などのハイパースペクトルイメージング応用に適した性能を調査する。その上でイメージング応用検証を行う。2次元センサにおいては、インクジェット印刷によるピクセル化を進め、ハイパースペクトル情報とピクセル情報によりセンサ情報の2桁増加を図る。インクジェットインク調整では分子認識材料、光機能材料、プラズモン共鳴結合色素系を組成に加え、同時にセンサ性能回復材料の導入も検討する。2次元フレキシブルセンサでは微細凹凸構造導入によるガス種ごとの匂い風向情報を取得し、ガス源探索解析への応用を検討する。3)匂い源探索ロボットのプロトタイプを作製する。LSPRセンサユニット、各種物理センサ、超音波風向風速計を搭載し,センサユニットの応答から匂い源位置推定を検討する。自己位置確認とLiDARにより障害物を検出・回避し、匂い・ガス源の推定位置に自律的に向かうことができる構成とする。また、ドローンを併用し、屋外環境で匂いやガスの発生源の探索実験を行う。複合ガス応答の分解ではハイパースペクトルイメージングによる成分ガスごとの可視化を行う。その上で着目する人関連匂い物質の時空間分布とゆらぎを解析し、対象成分の有無が評価関数の増大・減少に与える影響を調査する。この結果をロボットのガス源探索制御にフィードバックし、探索精度をさらに向上させるアルゴリズムを構築する。また、探索実験では屋内環境・屋外フィールド設定を検討する。
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