Project/Area Number |
22H04960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section D
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幾原 雄一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究教授 (70192474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 隼 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00780777)
馮 斌 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (20811889)
梅野 宜崇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40314231)
栃木 栄太 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50709483)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥193,700,000 (Direct Cost: ¥149,000,000、Indirect Cost: ¥44,700,000)
Fiscal Year 2024: ¥43,420,000 (Direct Cost: ¥33,400,000、Indirect Cost: ¥10,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥41,340,000 (Direct Cost: ¥31,800,000、Indirect Cost: ¥9,540,000)
Fiscal Year 2022: ¥48,360,000 (Direct Cost: ¥37,200,000、Indirect Cost: ¥11,160,000)
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Keywords | 強度特性 / 格子欠陥 / TEM/STEM / その場観察 / 機械試験 |
Outline of Research at the Start |
結晶性材料の強度特性はその内部に形成される様々な欠陥構造の相互作用に強く支配される。本研究では、原子分解能透過型電子顕微鏡その場機械試験法により、荷重負荷に伴う試料内部での欠陥構造の形成過程や交錯現象に関わるナノダイナミクス観察実験を実施し、また観察結果に基づいて理論解析を行う。これにより欠陥構造の力学的相互作用を原子レベルから明らかとし、材料強度発現の学理基盤を構築することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主たる研究成果は下記の通りである。 (1)高温その場機械試験システムの開発:微小電気機械システム(MEMS)技術を用いた透過型電子顕微鏡(TEM)用新規荷重負荷デバイスの設計・作製を行った。TEM内にて駆動試験を行い、荷重負荷精度、安定性等の評価試験を実施し良好な結果を得た。また、TEM内レーザー照射装置の加熱性能評価のため、セラミックス多結晶体の加熱試験を実施し粒界移動現象が生じる温度域まで加熱されることを確認した。 (2)粒界試料の作製と構造解析:代表的な構造用セラミックスであるα-アルミナおよびイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を対象として粒界方位関係を高度に制御できる双結晶法により種々の粒界を作製、TEMによる構造解析を行った。また、異種元素を添加した粒界試料についても同様に作製、構造解析を進めた。解析結果を踏まえ、その場TEM機械試験に供する粒界試料を選定した。 (3)原子分解能その場TEM機械試験:セラミックス試料および金属試料を対象として常温においてその場TEM機械試験を実施し、荷重負荷中の原子挙動を観察した。各試料の組成、結晶方位に依存して転位や双晶の形成、亀裂の進展が確認された。特に同一の方位関係とした金属試料の機械試験において転位すべりと双晶変形の2通りの変形現象が確認された。両モードの分岐は試料端の形状と相関がある可能性が示唆された。 (4)変形現象の理論解析:項目(3)の実験結果を踏まえ、変形モードと試料端形状に着目して分子動力学計算を中心とした理論解析手法の検討を行った。予備的な計算の実行と結果の解析を行い、種々の計算条件の最適化を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温でのその場TEM機械試験と原子分解能観察を両立させることを目指し、新規MEMSデバイス並びにTEM用レーザー照射装置の運用に関する基礎的なデータが得られており、実験システムの構築が着実に進んでいる。また、常温でのその場機械試験により格子欠陥の原子挙動が観察されており今後の展開に期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は主に下記の項目を重点的に進める計画である。 (1) 高温その場機械試験システムの開発:レーザー照射量と試料温度との相関の検証やレーザー照射下でのMEMS荷重負荷デバイス安定性の評価等を進め、高温で安定的に荷重負荷試験を実施できる実験システムの構築を図る。また、TEMの撮像系、レーザー照射系、荷重負荷デバイス制御系を相互に連携させることで、原子挙動と各実験パラメータを関連付けた解析を可能とする実験システムの構築を進める。 (2) 高温その場機械試験:項目(1)の進捗に合わせて高温でのその場機械試験を実施する。第一にテスト試料を用いた評価試験を行う。次いで、より実践的な試料を選択し比較的低倍率でのその場機械試験を実施し、実験システムの開発へのフィードバックを行う。 (3) 格子欠陥挙動の原子レベル観察および理論解析:前年度に引き続き常温における粒界の破壊現象や転位-粒界相互作用の原子レベル直接観察実験を実施する。適宜データ会や機や理論計算による検証を進め、力学的負荷に対する格子欠陥の原子挙動を探究するとともに、高温その場機械試験に供する試料の選定を進める。
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