胆汁酸トランスポーターNTCPを介したHBV感染の構造基盤
Project/Area Number |
22J14378
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 仁太 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | B型肝炎ウイルス / NTCP / トランスポーター / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
NTCPは胆汁酸の腸肝循環に関連する9回膜貫通タンパク質である。肝細胞に局在し、Na+と胆汁酸を細胞内へ共輸送するトランスポーターとして知られている。さらに2012年にはNTCPが本来のトランスポーター機能に加え、B型肝炎ウイルス (HBV) の肝細胞侵入を仲介する受容体としても働くことが報告された。しかしながら、NTCPの立体構造は解明されておらず、HBVの認識・侵入機構、阻害剤の作用機序、およびHBV感染の種特異性に関する構造学的知見は乏しい。 本申請課題では、NTCPを対象とした構造生物学的な解析により、NTCPを介したHBV感染の分子基盤を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus, HBV)受容体として機能する胆汁酸トランスポーターSodium taurocholate co-transporting polypeptide (NTCP) を対象とした構造生物学的な解析により、NTCPを介したHBV感染の分子基盤を明らかにすることを目的とした。 採用期間中の研究により、NTCPおよびHBVのエンベロープ上に発現する膜タンパク質large HBV surface antigen (LHBs) のN末端ペプチドpreS1の試料調製法が確立された。さらに、NTCPとpreS1の複合体を高純度で調製することにも成功した。 得られたタンパク質試料を用い、クライオ電子顕微鏡単粒子解析を実施した結果、NTCP単体の立体構造を解明することに成功した(Asami et al., Nature, 2022)。ここで、分子量の比較的小さいNTCPの構造解析を容易に進めるため、京都大学大学院医学系研究科の岩田想教授との共同研究により作製された、NTCPに対して特異的な抗体を用いた。得られたNTCPの構造は細胞外側に開いており、core domainとpanel domainの間に疎水性トンネルが形成されていた。トンネル内腔には、脂質と思われる弱い密度が観測された。 次に、NTCP-preS1複合体の立体構造が、クライオ電子顕微鏡解析により解明された(Asami et al., 論文投稿中)。複合体中で、preS1は複雑に折りたたまれてNTCPの基質輸送トンネルに侵入し、疎水性相互作用と水素結合により強固に結合していた。また、NTCPおよびpreS1の変異体解析を実施した結果、両者の結合に重要な領域を同定した。 得られた立体構造情報は、NTCPとpreS1の結合を阻害する新規HBV治療薬の設計に寄与すると考えられる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Structure of the?bile acid transporter?and HBV receptor NTCP2022
Author(s)
Asami Jinta、Kimura Kanako Terakado、Fujita-Fujiharu Yoko、Ishida Hanako、Zhang Zhikuan、Nomura Yayoi、Liu Kehong、Uemura Tomoko、Sato Yumi、Ono Masatsugu、Yamamoto Masaki、Noda Takeshi、Shigematsu Hideki、Drew David、Iwata So、Shimizu Toshiyuki、Nomura Norimichi、Ohto Umeharu
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Journal Title
Nature
Volume: 606
Issue: 7916
Pages: 1021-1026
DOI
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Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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