数学の基礎における内包的概念と新しい内包論理の構築
Project/Area Number |
22K00028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒川 英徳 金沢大学, GS教育系, 准教授 (30710230)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
|
Keywords | 内包性 (intensionality) / Fregean Sinn / intensional logic / Church / 直観主義解析学 / Kreisel / choice sequence / 無矛盾性 / 内包論理 / 証明論 / informal rigour |
Outline of Research at the Start |
数学において使用される数式、記号の意味を理解するためには多くの場合「内包的」と言われる概念が必要である。このことは現代論理学の祖であるフレーゲ以来広く認識されてきた。しかしながら(例えば様相論理はすでに広く研究されている内包論理だが、この目的ためには使えないため)数学的言語の分析に使用可能な内包的概念の論理的分析は容易でない。本研究ではこの問題に次の2つの仕方で答えることを目指す。1)内包的概念の哲学的概念分析を行う、2)そうした概念分析に基づいて数理論理学的な研究を行い内包論理における数学的(証明論的)成果を得る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は数学の哲学において特にフレーゲ以来盛んに議論されてきた、数学に現れる「内包的概念」について哲学的、歴史的、および数理論理学的な観点から研究することを目的とするものである。このような目標設定のもと、とくに1)直観主義解析学(特にそのクライゼル、マイヒルらによる公理的再構成)における内包的概念の役割の解明、2)フレーゲ的なSinnの概念が数学の証明の中で果たす役割の解明(特にチャーチのthe logic of sense and denotationと呼ばれる論理体系のフレーゲのSinnの概念からの再検討)、3)第2不完全性定理を証明する際には「無矛盾性」などの数学的概念を、形式体系で表現する際に現れるメタ数学に関わる「内包性」の解明、という3つの主題について「内包性」概念の研究を行うものである。 これらの主題のうち、今年度は特に1)の直観主義解析学について研究を行った。本年度は研究の開始年度ということもあり、直観主義解析に関するレビューを行った。直観主義解析学における概念的問題全般に関するサーヴェイを行うとともに、特にクライゼル、マイヒルらの1960年代に出版された論文における「内包性」概念の役割を共同研究者であるワルター・ディーンと共に検討した。その結果、特にマイヒルの議論における「内包性」概念の役割について幾つかの発見があった。これらの成果についてはクライゼルとマイヒルの間に交わされた議論の文脈におけるその意義の考察と共に今年度中に研究発表、論文の形にすることを目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度も前半までは、コロナ禍の影響がまだ残存していたため研究時間が十分に得られない状況にあり、また海外に赴いて共同研究者と十分な時間をかけて議論をするといったことがまだ自由にできない状況であった。そのため研究の進捗が遅れていた。 しかしながら後半には状況は改善した。海外出張を再開することができ、十分な時間をかけて共著者と議論をすることができた。(確かにオンラインで議論することも可能であるとはいえ、やはり実際に会って議論をすることの重要性を再認識した。)今年度後半にはワルター・ディーンとかなりの時間をかけて直観主義解析学について議論する機会をもつことができ、そのためある程度研究が進捗した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまで進めてきた直観主義解析学に関する研究をさらに進め、現在の教科書的な記述からはなぜか失われてしまった、「内包性概念」に依存した直観主義解析学の定式化の意義について再検討し、そこに潜在的に存在する可能性のある豊かな概念的鉱脈を探究する。また、それと共にフレーゲのSinnの概念そのもの及び、フレーゲのSinnの概念を取り込んで定式化されたチャーチの論理体系などについてのサーヴェイを行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)