Project/Area Number |
22K00041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
佐藤 紀子 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (20453657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨原 眞弓 聖心女子大学, 現代教養学部, 名誉教授 (70227635)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 労働者教育 / シモーヌ・ヴェイユ / 労働における霊性 / 機械化 / 哲学教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究はシモーヌ・ヴェイユ(1909-1943)の労働者教育の変遷をたどり、ヴェイユの思想全体と労働者教育の関係性を明らかにすることを目的とする。哲学教員であったヴェイユはリセではもちろんのこと、農場でも、亡命時の船上でもいつもだれかに哲学を教えていた。本研究では、ヴェイユと労働者をつなぐものとして哲学教育を据え、ヴェイユと直接的に関わりがあったティボンや工場労働者のギエヌフらの証言および著作に立ち返り、ヴェイユが構想した労働者教育とヴェイユの思想全体との関わりを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はシモーヌ・ヴェイユ(1909-1943)の労働者教育の変遷をたどり、ヴェイユの思想全体と労働者教育の関係性を明らかにすることにある。なかでも、本研究の特徴は、教育を受ける側である労働者に焦点をあて、ヴェイユと交流のあった労働者の語りや作業そのものに着目して課題解明を進める点にある。この研究目的を果たすために、本研究では大きく以下二つの研究工程を立てている。①ヴェイユがたずさわった工場労働と農業労働の解明と、②農民哲学者ティボン(1903-2001)により出版された『重力と恩寵』とその元であるヴェイユの「雑記帳」(以下「カイエ」)の比較研究である。 2023年度においては、上記の研究計画①に対して、ヴェイユと直接交流があった労働者との書簡、日記、インタビュー等の文献調査を開始した。この文献調査の過程で、ヴェイユが労働者教育の観点からエンジニアのジャック・ラフィットに関心を寄せていた可能性が判明し、ラフィットとヴェイユとの書簡や1932年に刊行されたラフィットの『機械の科学についての考察』を文献調査の対象にくわえ、研究を進めた。 研究計画②に対しては、前年度おこなったティボンの『重力と恩寵』とヴェイユの「カイエ」との突き合わせにくわえ、2023年度は「カイエ」のヴェイユの手稿そのものとの突き合わせをおこなった。 2023年度は学会発表等による研究成果の公表ができなかったが、研究分担者が2002年に出版したヴェイユの研究書『シモーヌ・ヴェイユ』の文庫化の提案が入り、その作業を進めるなかで、上記の研究成果の一部を反映させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は工作機械に関する調査のために工場への出張を予定していたが、文献調査が進むにつれ調査すべき文献が増えたことから、工場での調査を次年度に回さざるを得なくなった。その結果、予定していた学会発表も次年度に持ち越すことになってしまった。2024年度の早い段階で調査を実施し、予定していた学会発表等研究成果の公開を心がけたい。 上記の理由にくわえ、研究分担者が2002年に出版した『シモーヌ・ヴェイユ』が文庫化することになり、全文を検討する作業が急遽入った。検討プロセスそのものにおいて本研究成果の一部を用いているため、本書の文庫化は本研究課題の成果の一部ともいえるが、この作業により研究計画に遅れが出た。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は本研究課題の最終年度にあたるため、課題をまとめ、研究成果の公開に努めたい。2023年度に実施することができなかった調査を速やかに実施し、秋以降の学会で順次発表を進めたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)