Project/Area Number |
22K00060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | International College for Postgraduate Buddhist Studies |
Principal Investigator |
池 麗梅 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (50449360)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 中国仏教 / 大蔵経系譜論 / 漢文大蔵経 / 版本大蔵経 / 元官版 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中国・朝鮮・日本など東アジア地域の仏教が依拠してきた漢文仏教テキストの集成である「大蔵経」のうち、元代の官版大蔵経(「元官蔵」と略す)に焦点を当て、それが刊本大蔵経等を含めた漢文仏教テキスト全体において如何なる地位を占め、如何なる意義を担っているのかを、文化史的・学術的な観点から総合的に解明することを目的としている。更に「元官蔵」というケーススタディを通して、従来の大蔵経系譜論における問題点を明らかにし、新たな研究スキームを考案することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国・朝鮮・日本など東アジア地域の仏教が依拠してきた漢文仏教テキストの集成である「大蔵経」のうち、元代の官版大蔵経(以下、「元官蔵」と略す)に焦点を当て、それが刊本大蔵経等を含めた漢文仏教テキスト全体において如何なる地位を占め、如何なる意義を担っているのかを、文化史的・学術的な観点から総合的に解明することを目的としている。更に「元官蔵」というケーススタディを通して、従来の大蔵経系譜論における問題点を明らかにし、新たな研究スキームを考案することを目指す。 この目的を達成するために、令和5年度に実施した研究は、研究資料の蒐集、研究の推進、という二つの方面から進めた。まず、本研究の遂行の一環として、大蔵経関連の研究図書・図録等を購入し、大学院生を1人雇用して画像処理・データの入力に協力してもらった。次に、研究資料の蒐集においては、特に中国雲南図書館所蔵分の資料の蒐集と整理に重点を置き、所蔵者の許諾を得た上で同館が公開したデジタル画像に基づいて経卷の翻刻を進めている。最後に、研究の推進においては、「元官蔵」に繋がる福州版大蔵経の研究史を回顧する論文「元官版大蔵経研究(二)-研究課題と問題点-」を執筆している。更に、日本における大蔵経研究の成果を広く国際学界に知らしめるべく、「契嵩著作之入蔵始末ー兼論福州二蔵之目録分岐」という論文を中国の学術誌に掲載し、「福州藏的研究」、「福州二藏関係考實」そして「福州二藏之関係探秘」という三つの公開講演を中国で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①資料の蒐集 本研究の対象である「元官蔵」の現存経本の大部分は、日本の東泉寺本『八十華厳』と中国の雲南省図書館等に所蔵されているものに分けられる。本年度も中国雲南図書館所蔵分の資料翻刻に重点を置いたが、日本所蔵分や中国の個人蔵等にはまだ着手していない。 ②研究の推進 本年度は、「元官蔵」に関する日中両国の研究史をまとめ、同蔵の研究課題とその問題点を検討しているが、論文の形にまとめあげるにはもう少し時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究資料の蒐集においては、雲南省社会科学院図書館の1点、中国国家図書館の9点、上海龍華古寺の2点、個人蔵の12点の「元官蔵」は、所蔵寺院・図書館・個人等の協力を仰ぎながら、現物の調査と撮影を進め、また所蔵者からの直接提供、既刊の図録・データベース、公開ウェブサイトなど、様々な方法により経本の画像(デジタル画像を含む)を入手する。研究実施期間中は、中国所蔵分に重点を置きながらも、対馬博物館に寄託される東泉寺本「元官蔵」にまで調査の範囲を拡げる。 研究の推進においては、「元官蔵」に注目することによって、元代大蔵経の個性、その漢文大蔵経史上における独自の意義を見出すことが可能であるか」という核心的な問いを見据えた上で「元官蔵」の地位と意義とを十全に解明すべく実施する。今後は、「元官蔵」に関わる情報を多方面から蒐集することに努めながら、同蔵について、版式や扉絵等の書誌学的特徴を再確認し、同蔵の雕造・管理・施印等の歴史を踏まえながら、同蔵の形式的特徴から垣間見える江南系統大蔵経との近似性、そして目録構成における「元官蔵」と『至元録』及び金蔵(弘法蔵)を中心とする中原系統大蔵経との関連性を検証する。更には、「元官蔵」のテキスト内容について、元代に流布した江南系統と中原・北方系統の諸蔵との比較を行うことによって、各系統の諸蔵との関連性において「元官蔵」のテキスト系譜を捉え直す。
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