『律経自注』のサンスクリット語写本から回収される『根本説一切有部律』の研究
Project/Area Number |
22K00061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | International College for Postgraduate Buddhist Studies |
Principal Investigator |
生野 昌範 国際仏教学大学院大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60512928)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 律経自注 / グナプラバ / 根本説一切有部律 / サンスクリット語写本 / ゲッティンゲン・コレクション |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ゲッティンゲン図書館に保管されているグナプラバ著『律経自注』のサンスクリット語写本資料のうちの一つである Xc 14/61 (a) を用いて、『律経自注』において引用されている『根本説一切有部律』からのテキストを収集し、整理、分析するものである。聖典である『根本説一切有部律』のサンスクリット語テキストは部分的に現存するのみであるので、本研究によって『根本説一切有部律』の補足的資料となるサンスクリット語テキストを回収し、関連する文献の記述と比較しつつ分析・考察したうえで、Xc 14/61 (a) において引用される『根本説一切有部律』のサンスクリット語テキストを確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
聖典である『根本説一切有部律』はサンスクリット語テキストが部分的に現存するのみであるが、グナプラバ著『律経自注』において『根本説一切有部律』からの引用が数多く存在する。そこで、本研究は、『律経自注』のサンスクリット語写本を用いることにより、そこに引用された『根本説一切有部律』のサンスクリット語テキストを収集し、整理ならびに分析を行なうことを目的とする。そして、本研究は、ドイツのゲッティンゲン図書館に保管されている『律経自注』のサンスクリット語写本資料である Xc 14/61 (a) の35葉を研究対象とする。 初年度である令和4年度は、Xc 14/61 (a) における『根本説一切有部律』のナイッサルギカー・パーヤッティカーからの70箇所の引用のうち、当初の計画のとおり50箇所のサンスクリット語テキストに関してローマ字転写テキストを作成し、『律経自注』のチベット語訳も用いて読解するとともに、『根本説一切有部律』のチベット訳および漢訳テキストと比較して、整理ならびに分析を行なった。また、『律経自注』のほかにも、チベット訳でのみ現存する律の注釈書(シャーキヤプラバ著『アーリヤ・ムーラサルヴァースティヴァーディ・シュラーマネーラ・カーリカー・ヴリッティ・プラバーヴァティー』)に『根本説一切有部律』からの引用文が数多く見られるので、それも用いて分析を行なった。 さらに、Xc 14/64 に『根本説一切有部律』のパーラージカー第一条と第二条に関する引用文が存在するので、当初の計画にはなかったが、Xc 14/64 における引用文に関しても収集し、整理ならびに分析を行なった。そして、パーラージカーが順番としてナイッサルギカー・パーヤッティカーより先行するので、Xc 14/64 におけるパーラージカー第一条と第二条の引用文に関する研究を成果の一部として先に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、ゲッティンゲン図書館に保管されている資料のうち、Xc 14/61 (a) のみに関して研究を行なう予定であったが、Xc 14/61 (a) にくわえて、Xc 14/64 に関しても研究を実施しているので、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。Xc 14/64 を研究対象に追加することにより、『律経自注』における『根本説一切有部律』からの引用文に関するより包括的な研究となることが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、当初の計画にそって、Xc 14/61 (a) に関して研究を進めるとともに、研究成果を順次公表する。 次年度は、Xc 14/61 (a) における『根本説一切有部律』のナイッサルギカー・パーヤッティカーからの引用70箇所のうちの残り20箇所と、パーヤッティカーからの引用77箇所のうちの50箇所を重点的に検討する予定である。 さらに、Xc 14/64 を用いて検討したパーラージカー第二条以降の引用文は大正大学出版のサンスクリット語資料を用いることにより収集することができるので、パーラージカー第二条以降の引用文に関しても並行して研究を実施する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)