Project/Area Number |
22K00067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 非常勤講師 (50177193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊谷 竜太 高野山大学, 文学部, 准教授(移行) (50526671)
加藤 諭 東北大学, 学術資源研究公開センター, 准教授 (90626300)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 河口慧海関係資料 / 堺市博物館 / 東北大学附属図書館 / 東北大学総合学術博物館 / 東京国立博物館 / 台東区立書道博物館 / 北京街版チベット語文献 / 北京街版 / 高野山大学図書館 / デルゲ版チベット大蔵経 / 親族所蔵資料 / 東北大学図書館所蔵資料 / 高野山大学図書館所蔵資料 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、チベット探険で知られる仏教者・仏教学者、河口慧海(1866-1945)に関係する資料を総合的に調査・研究し、その内容を明らかにするとともに、これに基づいて、実証的な観点から、慧海の思想と行動の再検討や慧海像の再構築等を行い、そのことを通じて、日本近代仏教史に顕著な仏教徒による原点探究、海外進出、現状改革等の動きを解明することを目的とするものである。 慧海関係資料は日本各地に所在するが、本研究が調査・研究に特に注力するのは、(1)慧海の親族が長年にわたって保管してきた、大部分が未公開の資料群(親族所蔵資料)と(2)東北大学附属図書館所蔵の慧海将来の北京街版チベット語文献である。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1) 親族所蔵資料の調査・研究:前年度に引き続いて、研究代表者の奥山直司が、堺市博物館の協力を得て、堺市博物館寄託(前年度までは預り)の親族所蔵資料について、業者委託によるデジタル撮影(約3000カット)と画像処理を行った。両年度の作業によって、同資料の主要なものはすべてデジタル化された。これによって、同資料の研究効率が飛躍的に向上した。下記(2)(3)は、かかる資料整備があって初めて実現したものである。 (2) 堺市博物館企画展への学術協力:奥山が、学術協力者として、堺市博物館の企画展「河口慧海 仏教探究の旅―チベットで求めたもの―」(会期:令和5年9月2日~10月15日)に協力し、その図録において展示品に説明を加え、論考を寄稿した。さらに、令和5年9月17日、同博物館において一般市民向けの講演「河口慧海 仏教探究の旅」を行い、研究成果の社会還元に努めた。 (3) 学術シンポジウムの開催:本研究グループの主催で、令和5年9月24日、堺市博物館において、学術シンポジウム「河口慧海関係資料のデジタル化と公開に向けて」を開催した。このシンポジウムでは、奥山と研究分担者の菊谷竜太・加藤諭がそれぞれに研究発表を行い、参加者と意見交換を行った。その成果は、『堺市博物館研究報告』第43号(2024年3月)に学術シンポジウム報告として掲載された3本の論文にまとめられた。 (4) 東北大学附属図書館所蔵慧海将来北京街版チベット語文献の調査・研究:菊谷が数次にわたって北京街版の内容調査を行い、奥山と加藤がこれに協力した。 (5) その他の河口慧海関係資料の調査・研究:奥山が、東北大学総合学術博物館、東京国立博物館、台東区立書道博物館の協力で、各所蔵資料を調査・閲覧した。その成果の一部は、(3)の学術シンポジウム報告にも活かされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究実施状況報告書において今後の研究の推進方策として次の4項目を挙げた:(1) 堺市博物館預かり(現在は寄託)の親族所蔵資料のデジタル化をさらに進める、(2) 堺市博物館の企画展への協力と学術シンポジウムの開催を通して、調査・研究を進めると共に研究成果の社会還元を図る、(3) 東北大学附属図書館所蔵資料(北京街版チベット語文献)の調査・研究をさらに進める、(4) その他の慧海関係資料の調査研究を実施する。 当該年度の研究の実施によって、以上のうち(1)は主要資料のデジタル化を完了した。(2) は企画展への協力、学術シンポジウムの開催のいずれもが滞りなく実施され、企画展図録および学術シンポジウム報告が刊行された。(3)(4)も、上記の研究実績の概要で報告した通りの進捗を見た。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)資料調査:堺市博物館寄託の親族所蔵資料、東北大学附属図書館所蔵北京街版チベット語文献の調査をさらに進める。さらに、これ以外の慧海関係資料、すなわち寺院所蔵資料、個人所蔵資料等の調査を行う。 (2) 個別研究:同時に個々の資料の研究を、他の資料との関係に留意しつつ進める。 (3) 総合目録の作成:本研究によって開拓された資料に、すでに目録・図録等が出版されたり、デジタル化された画像がウェブ上で公開されたりしている慧海関係資料を加えて、総合目録を作成する。同時に個別の資料研究を総合して、慧海の生涯とその事績、思想と行動に再検討を加える。 (4) 以上のような研究を推進するために、高野山大学において、調査・研究を兼ねて研究会を開催する。
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