• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

チベットの民間信仰に関する宗教人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 22K00076
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 01030:Religious studies-related
Research InstitutionSurugadai University

Principal Investigator

村上 大輔  駿河台大学, 経済経営学部, 准教授 (50778339)

Project Period (FY) 2022-11-15 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Keywords民間信仰 / チベット / 聖地 / 儀礼 / 人類学
Outline of Research at the Start

チベット・ヒマラヤ文化圏には、仏教が伝わる以前から土着の「民間信仰」が存在する。千年以上にわたって仏教やボン教の儀軌に組み込まれつつも、聖俗を超えて現代まで脈々と続いているものである。この宗教領域は、チベットの仏教文化の基層であるばかりか、中央アジア全体の精神文明にも繋がっている。本研究は、チベットの民間信仰の伝統が色濃く残るネパールのムスタン地区(旧ムスタン王国)においてフィールド研究を行うことにより、研究代表者が10年近くにわたってラサを含む中央チベットで蓄積してきた膨大な民間信仰のデータを批判的に比較分析し、チベットの宗教文化の基層の一端を人類学的に明るみにしていくものである。

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、世界的に立ち遅れているチベットの民間信仰に関する研究を深めていくことである。約十年間にわたって報告者が中国チベット自治区・ラサで蒐集した、民間信仰や聖地巡礼の習俗に関する膨大なデータを、ボン教の伝統が色濃く残るネパール領チベット文化圏のフィールド調査を通して比較・ 整理し、体系化していくことを目標としている。2023年度においては、大阪・国立民族学博物館に所蔵されているチベット語経典・儀軌書、および物質資料などを閲覧・蒐集・分析するとともに、国内外の研究関連書籍を購入し、それらの文献研究に従事した。さらに、その文献研究をもとに、ネパール・カトマンドゥのボン教寺院ノルブツェ寺のラマ僧や、同国ムスタン地区の行者や僧侶などから具体的な助言を受け、本研究で特に焦点をあてるべき儀軌・習俗の同定および精査を開始することができた。
近代化・中国化の激しい中国領のチベットに比べ、チベット文化圏の辺境地であるムスタン地区においては、チベットの民間信仰の習俗が古代・中世以降大きな変化を蒙ることなく温存されており、上の同定したいくつかの儀軌・習俗も、その重要な要素群であると推察される。これらは、本研究の主目的であるチベットの民間信仰の習俗の淵源をさぐるために極めて貴重なものであることは間違いなく、今後はその儀軌書を解読・分析し、その儀軌・習俗そのものを人類学や宗教学、チベット学の視点から考察していくことを予定している。
いっぽうで報告者は、チベットの民間信仰の呪術性に関する論考を2023年度に発表した。また、民間信仰をフィールド研究するうえでの方法論について理論的に模索することも同時に開始することもできた。両者はチベット・ヒマラヤ地区に限定されない、より普遍性のある議論に繋がっていくものと予想している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究でフォーカスを当てるべき習俗や儀軌を同定し、そしてそれに関連するチベット語教典、関連研究書籍を蒐集・精読・分析を開始できたことは、ある一定の成果であると判断している。また、本研究を理論的に深めていくために、チベットの民間信仰の呪術性に関する議論を論考の形で発表できたこと、さらには、宗教人類学のフィールドワークのメソドロジーについて理論的な考察を始めることができたのも、大局的な観点からみて本研究遂行のためプラスに働くと思われる。

Strategy for Future Research Activity

今後二年間の残りの研究期間のあいだ、科研予算の範囲内においてネパール・カトマンドゥおよびムスタン地区に少なくとも1-2度フィールドワークの機会を設けたいと考えている。ヒマラヤ山脈の中に存在するムスタン地区は、冬季は積雪、夏季はモンスーンの時期と重なり、気候的に入境が極めて困難な時期があるため、フィールドワークの時期を注意深く見定める必要があると考える。具体的には、2025年の2-5月の間に3週間ほど、同年9月、もしくは2026年の2-3月をフィールド期間の候補に考えている。
また今後も2023年度に引き続き、大阪・国立民族学博物館に所蔵されているチベット語経典・儀軌書、および物質資料などを閲覧・蒐集・分析するとともに、国内外の研究関連書籍を購入し、それらの文献研究に従事したい。また2024年度中に、上記において言及した、宗教人類学のフィールドワークのメソドロジーについて理論的な論考を発表したいと考えている。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] チベットの民間信仰の呪術性に関する試論 : 「魂」(bla) を呼び戻す儀礼とフロイトの夢理論2024

    • Author(s)
      村上大輔
    • Journal Title

      駿河台大学論叢

      Volume: 66 Pages: 51-76

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Open Access

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi