Project/Area Number |
22K00083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | National Museum of Ethnology (2023) Professional Institute of International Fashion (2022) |
Principal Investigator |
河西 瑛里子 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 助教 (80705278)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 心霊主義 / 霊媒 / オルタナティヴ宗教 / スピリチュアリティ / イングランド / 霊媒師 / 交霊術 / 呪術 / 感覚 |
Outline of Research at the Start |
現代のイングランドにおける呪術として、霊や神と交信する霊媒師を取り上げ、交霊術が現代でも機能している理由を明らかにする。既存の呪術研究は、欧米以外の地域での呪術が対象となってきた。それに対し、イングランドの交霊術を対象とすることで、地域的な偏りを解消し、これまでの呪術研究の成果が欧米地域にも当てはまるのかを検討することができる。そこで、①交霊術がいかなる変貌を遂げながら展開されているのか、②交霊術はいかなる行為とプロセスによりリアルなものだと認識されていくのか、③交霊術のいかなる側面が、現代のイングランドの人々を惹きつけているのか、という3点を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の調査の結果は6月のCESNURという学会で発表し、その内容は『現代思想』に掲載された。 7~9月のフィールドワークでは、心霊主義教会では、霊媒が死者の霊と対話し、その証拠とメッセージを伝える様子(サービスあるいはデモンストレーション)やヒーリング、霊媒になるための成長サークルの様子を観察した。霊媒には霊が見えていること、その他、声を聴いたり、感じたりしていることが分かった。また霊がその場に来ていることは絶対であり、対象者に心当たりがない場合は忘れているだけだと理解されていることがわかった。ヒーリングは、心霊主義のグループにより、やり方はやや異なっていた。成長サークルでは、瞑想をして、そこで見えたものをシェアすることが大切なようだった。また、キリスト教と離れたいところは「教会」ではなく「センター」「協会」などと呼ばれていた。 心霊主義教会にやってくるきっかけは、家族など親しい人の死であるケースが多いが、霊媒は超常的な体験が霊媒になることに関心を持つきっかけになっていることが多いように思った。また労働者階級の、特に女性を中心とする文化であることも分かった。 スピリットガイドが霊媒の身体を借りて話すトランス霊媒のセッションではより抽象的なメッセージが届けられ、霊媒が死者の霊と話した内容を伝えるプラットフォーム霊媒ではより具体的なメッセージが届けられた。セッション中、トランス霊媒は声や話し方、顔つきか大きく変わるが、プラットフォーム霊媒はそこまでは変わらなかった。 また、10月には日本の事例と比較するため、恐山の秋大祭にてイタコの口寄せを参与観察するとともに、そこに来ていた人たちに簡単なインタビューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度の2-3月に予定していた調査に行けなくなったため、その分調査予定に遅れが生じている。2023年度には7-9月に調査を実施したが、調査を予定していた団体が突然、諸事情により、活動を休止したり、夏期休暇中であったため、調査を計画した時点では開催されていた活動のいくつかが休止されていた。このような活動は、過去4年間は新型コロナウイルスの影響で通年に渡って休止されていたため、報告者も気づいていなかった。 しかし、教会での交霊会の様子の参与観察や、霊媒へのインタビューなどは実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の調査結果は、2024年度6月のCESNURで発表する。 2024年度も5-6月にフィールドワークを実施する。今回は、可能であれば、霊媒ではない、定期的な参加者から話を聞きたいと考えている。また「成長サークル」は、2023年度は訪れた時期が夏季休暇の時期だったため、一時中断中のところが多く、十分に参加できなかった。2024年度は時期を変えることで、参与観察したいと考えている。 先行研究をより精査し、霊媒の自伝なども読んで、2023年度の調査結果と合わせて、論文を作成し、投稿する予定である。
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