Project/Area Number |
22K00105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
関沢 和泉 東日本国際大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (90634262)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 辞書 / 中世哲学 / 中世思想 / デジタル・ヒューマニティーズ / 写本 / 思想史 / 中世 / 論理学 / 文法学 / 自由学芸 / Papias / 言語学 |
Outline of Research at the Start |
西洋中世の辞書・事典は、思想史研究において、古代の表現の採録・再録に過ぎない周縁的なものとして扱われることが多かったが、近年、欧米では研究が進みつつあり、それらに収録された議論は、当時の活発な議論の痕跡を簡潔な表現の裏に隠していることが見えてきている。本研究は特に文法学と論理学を中心に、同時代との応答を掘り起こし、中世の辞書・事典が西洋中世を分析するための新しい道具として利用できることを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代的(批判的)校訂版が存在しないか遅れてきたゆえに、あるいはそれらは単なる古代の書物の切り貼りだと考えられたゆえに、正面から扱われることの少なかった西洋中世における辞書・事典(当時は両者に明確な区別がなかったことからこのように表記する)に見られる自由学芸・哲学の要素を分析するものである。 前年度の研究において、主要な辞書・事典の時系列の関係を描き、いわば通時態的な分析の有効性を示すことができたが、本年度の前半ではその延長上で、あまり言及されることのないより小さなサイズの辞書(語彙集)(近年、批判的校訂版が幾つか出版されている)を分析し、それらが必要となるテキストの語彙を収録する等、実用的な目的から構成が決定されていることを確認した。その点においては、たしかにそれ以外の名前が良く知られた辞書・事典とは性質が異なるということもできるかもしれないが、そこに決定的な差異があるかどうかは今後の課題となる。またそのなかで、Liber Glossarumの校訂と出版が電子的な形態となったことについて、日本での研究コミュニティーへの紹介を行った。 本年度の後半では、辞書・事典のそれ自体としての主張が明確となるカトリコンの時代に焦点をあて、それを分析するための予備的作業を行った。具体的には、この辞書・事典は大量の同時代の議論等を収録しているが、それらについての先行研究の調査と、未だに近代的校訂版がないこの辞書・事典についての翻刻作業(及び並行する議論の収集)を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パピアスからカトリコンにかけての転換の分析は進めることができ、また国際連携についても一定程度進めることができたが、その成果のうち、直接公開できたものが少ないため、このように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
13世紀の巨大な辞書であるカトリコンの分析は、同時代との関係で比較的位置づけやすいものであり、中世における辞書・事典の一例として踏み込んだ分析を行うことで、それ以前の、辞書としての主張が取り出しにくい辞書を振り返って分析するための土台とする。 また少しずつ進めてきている国際連携についても、さらに踏み込んだものとする。
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