法然死没前後の一念義と多念義、そして対宗内対宗外関係についての復元研究
Project/Area Number |
22K00114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 新之介 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (80638718)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 専修念仏 / 浄土宗 / 真宗 / 多念義 / 一念義 / 三昧発得記 / 源空伝 / 法然房源空 |
Outline of Research at the Start |
浄土宗を開立した法然の死没前後、その門流から一念義と多念義が発生し、宗内の他門流とだけでなく宗外の南都北嶺や朝廷とも対立するなどした。これら二義は後に門流が絶えたこともあり、従来の研究蓄積は薄弱である。 しかし、法然死没前後の思想状況などを解明するためには、結果として今日まで残った宗派(浄土宗の鎮西義や西山義、そして真宗)に着目するだけでは不十分である。当時(だけ)盛行していた教義や集団もまた復元し、全体像を把握しなければならない。 本研究では一念義と多念義に着目し、当時の法然門流たちの教義や人間関係、その延暦寺や朝廷など宗外勢力との関係について実態を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当初の研究計画通り、研究課題全体にとって必要な資料の調査と収集、分析に力を注いだ。訪問調査先は、国立国会図書館や国文学研究資料館、三康文化研究所付属三康図書館、大倉精神文化研究所付属図書館、神奈川県立金沢文庫、叡山文庫、東京大学史料編纂所、東京大学東洋文化研究所、大正大学付属図書館、龍谷大学図書館、大谷大学図書館、佛教大学付属図書館、京都大学大学院文学研究科図書館、京都西山短期大学図書館などである。また、いくつかの図書館・文庫から所蔵資料の複写物を請求し、新書古書などを購入した。 研究成果としては、3つの学会・研究会で研究発表を行い、査読なし雑録「「三昧発得記」の編纂と流伝」(『早稲田大学高等研究所紀要』15、2023)が刊行された。また、査読あり論文1本が査読を通過して刊行予定となっており、本年5月の研究発表1回もすでに決定している。 その論文「法然房源空の比叡登山年――十五歳説と十三歳説を比較して――」は、古来併存している法然房源空の登山年を比較検討し、天養2年(久安元年、1145)の13歳時とする説よりも久安3年(1147)の15歳時とする説が妥当だと論証したものである。源空登山年についての15歳説と13歳説は、言説が諸流派で如何に展開したかを示す一つの事例でもある。この成果は、数十年前から批判されてきた宗派史観をより相対化するものとして有効であり、次年度以降の研究にも活用できるものだと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を開始した2022年4月の時点では疫情がどのように推移していくか不透明であったが、現在まで概ね着実に改善されつつある。そのため、多くの図書館などへの訪問調査が可能となり、研究発表を予定していた学会も例年通り開催され、研究を順調に展開できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の資料収集の過程で、予想外の重要な発見が複数あった。それら自体は非常に好ましく、本研究課題を大いに前進させるものではあるが、当初の研究計画を修正しなければならなくなった。研究活動の効率化などによって対応し、引き続き本研究課題の目標を所定の年数で達成できるように努力していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)