Project/Area Number |
22K00124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 浩司 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50263182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 立晶 同志社大学, 文学部, 教授 (30411052)
田之頭 一知 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (40278560)
井奥 陽子 東京藝術大学, 美術学部, 研究員 (60836279)
井上 由里子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70601037)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 弁論術 / レトリック / 美学 / 演劇学 / キケロー / ノヴァリナ |
Outline of Research at the Start |
本研究は古代ギリシア・ローマにおける弁論術の成立と18世紀西洋近代における弁論術の崩壊に焦点を当て、その成立と崩壊の歴史的・思想史的な意味を解明した上で、現代における弁論術的芸術論の有意義性を提言するものである。本研究は、これまで日本で本格的に扱われてこなかった弁論術を扱い、日本における学問的な不足を補う点、近代美学における古典弁論術の影響・受容を研究する点、古典弁論術と美学の統合を通して新しい研究分野の確立を目指す点で独自であり独創的である。本研究は西洋古典学、美学、文芸学、音楽学、演劇学を専門とする5名の研究者から組織されている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は3年間の計画である。本年度は初年度目にあたり、研究課題に関連する諸問題を明らかにするとともに、研究組織内でこうした諸問題を共有し、研究の基盤を整備することに努めた。美学と弁論術に関連する問題を概括すると同時に、演劇学と弁論術との関係について焦点を当てて、合計2回の研究会を開催した。8月27日に1回目の研究会を開催し、渡辺浩司が「美学と弁論術」というタイトルで研究課題の問題点を示し、井上由里子が演劇の観点から身体表現とレトリックについて発表した。また12月18日の2回目の研究会では、桑原俊介先生(上智大学)を招聘し、近代美学の観点から弁論術と美学の関係について講演していただいた。これら2回の研究会で、美学と弁論術の関係における歴史的理論的な諸問題が浮かび上がった。これらは研究成果としてはまだ発表されていないが、次年度から順次発表していく予定である。 また16世紀の思想に多大な影響を与え、20世紀においてもパノフスキーによって着目されたキケローの『弁論家』の一部(33節から49節まで)を渡辺浩司が翻訳し公開した。演劇学と弁論術の関係については、日常の身体と演劇の身体の違いについて井上由里子が国際学会で1回、国内の学会で1回、研究発表を行った。日常の弁論術的な規則的硬直的な身体運動から、演劇・ダンスの運動による解放を通して、演劇的な自然本来の身体活動へと転化する様が明らかにされたとともに、逆に日常の身体の運動の背後にも脆さがあることが指摘された。また演劇学と弁論術の関係については、井上由里子が6本の論文を、田之頭一知が1本の論文を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は夏と冬に研究会を開催し、研究組織内で美学と弁論術に関する問題点を共有し各自がそれぞれの個別研究を実行するための土台ともいうべきものを共有することができた。研究組織全体としての研究上の問題点、研究の進め方も明確になった。これらの研究成果は、今後、国内外の学会や研究科で発表し、公表していく予定である。本年度の研究成果は翻訳1本と論文7本であり、すでに演劇学と弁論術の関連での成果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目も夏と冬に研究会を開催し、研究組織内で情報を共有するとともに、研究代表者と研究分担者は各自の研究分野においてそれぞれの役割にしたがって研究を進める。2年目は文芸学ないし音楽学と弁論術との関係に焦点を絞り研究会を開催する予定である。また研究組織内から最低1名が国際学会で研究発表を行い、研究成果を公表する予定である。キケローの『弁論家』を翻訳し注解する作業は引き続き継続する。さらに弁論術の一分野で近年注目を集めている研究分野であるエクフラシスにつていも基本文献の読解をし、翻訳・注解をする作業に取りかかる。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)