Project/Area Number |
22K00135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
中野 正昭 淑徳大学, 人文学部, 教授 (40409727)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 大衆演劇・演芸 / にわか / 喜劇 / 商業演劇 / 日本近代演劇 / 演劇学 / 大衆演劇 / 興行 / 地方演劇 / 俄 / 興行制度 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は、九州地方の「俄」に注目し、従来は素人が即興で行う〈民俗芸能〉だった俄が、昭和期に相次いで〈商業演劇〉として職業劇団化し、関西や東京へ興行進出を果たしながら広義の〈大衆演劇〉の一ジャンルとなった過程を〈芸態〉〈劇団〉〈興行〉の側面から検証し、その意義を明らかにするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に充分には実施できなかったものを含め、各機関・施設の資料所蔵状況の調査を中心に行った。特に九州地方での資料調査・収集は、九州北部の主要機関で実施し、まとまった資料収集ができた。 本年度の研究成果としては、著書2(国内・共著1、国際・全集の編集1)、論文2(国内1、国際1)、翻刻1がある。 これらのうち国際シンポジウム発表をもとにした論文「興行からみた博多にわかの展開:旦那芸と商業演劇」では、先の九州北部での調査結果を踏まえ、博多にわかの独自の商業演劇への展開を検証した。また台湾で出版された編共著『林摶秋全集』全12巻(国立台湾文学館)では、戦時中に日本の軽演劇「ムーラン・ルージュ新宿座」文芸部に所属し、戦後は台湾新劇や映画を牽引した林摶秋(1920-1998)の著作集の日本語編集者をつとめた。どちらも日本語・中国語の併記で発表しており、本研究課題の目的のひとつである日本の大衆演劇に関する国際的な情報発信と東アジアの大衆演劇研究者との連携を実現する成果となった。 翻刻として、昭和の喜劇人・古川ロッパ(1903-1961)の終戦前後の日記を行った。終戦前後のロッパ日記は、長らく行方不明となっいるが、本稿ではこれと別にロッパが記した五年連用日記(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館所蔵)を新たに発見し、翻刻した。古川ロッパの日記は昭和史の貴重な記録として様々な分野で参照されることが多いため、演劇研究に限定されない有意義な成果になったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に予定していたが実現できなかった九州北部での資料調査・収集を実施するなど、研究計画の遅れを部分的に取り戻すことができた。九州南部での資料調査など、まだ一部に研究計画の未実行はあるが、研究期間2年目であり、全体としてはおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、九州地方を拠点とする商業劇団・大衆演劇団の興行の調査をつづける。具体的には、年に1~2回の地方出張によって関連資料の所蔵機関調査と資料収集、入手した資料の分析・考察、それらの論文や口頭発表による成果発表と他の研究者との情報・意見交換を重ねる。研究成果の発表は国内だけでなく、国際シンポジウム等へ参加し、海外(主に台湾、中国、韓国等の東アジア諸国)の研究者と積極的に意見交換を行い、商業演劇・大衆演劇に関する情報と研究動向の連携を図っていく。
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