ゲームオーディオ研究のマッピング~主要論点の整理と国内学術言説の位置付け
Project/Area Number |
22K00139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山上 揚平 東京大学, 教養学部, 特任講師 (20637079)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ゲームオーディオ / ゲーム音楽 / サウンドデザイン / ビデオゲーム / デジタルゲーム / Ludomusicology |
Outline of Research at the Start |
本研究は、複領域に跨る複雑な出自を持った新興学問分野であるゲームオーディオ研究に関して、その全体状況を俯瞰できるような見取り図を作成するものである。研究領野ごとの重要文献の選定に止まらず、特に理論的・思想的な側面に関して、これ迄の議論を整理しつつ、分野を跨ぐ主要な大問題やキーコンセプト同士の関係性を浮かび上がらせる。更には、ビデオゲーム文化、「ゲーム音楽」文化の中心地の一つでありながら、国際的な研究潮流とはほぼ没交渉であった日本のゲームオーディオを巡る諸言説を、学問的精査の上で研究マップに適切に位置付ける事も課題とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
初年度である令和4年度は、これから構築を目指す「ゲーム・オーディオ研究文献データベース」(仮名)の為の記述要素の選定を行い暫定フォーマットを作成したのち、Web上のデータベース、リソースを中心に活用しながら欧文文献資料のデータ入力に着手した。Web上で公開されているデータベース情報の精査・エラー訂正を行いつつ、アルバイトの協力のもと年度内に約700点の欧文論文・記事の書誌情報および暫定キーワードをリスト化し、PDFデータおよび資料本体の収集にも取り掛かった。邦文文献資料に関しては、まずはNDLや書店・古書店のデータベースにキーワード検索をかけることで(非学術的な)一般出版物に関 連書籍がどの程度存在するかについての予備調査を行った。 本研究の核である重要論点のピックアップ及びキー概念の整理に関しては、「仮想現実とゲーム・オーディオ」および「サウンド・ゲームとサウンドアート」についての調査の一部を第7回両国アートフェスティバルにおける基調講演「デジタルゲームにおける音楽・音響の諸相~新しい聴体験メディアとしてのゲームの可能性」及びパネルディスカッションにおいて公表し、「ダイナミック・オーディオ」及び「インタラクティヴィティ」を巡っての調査成果を日本音楽学会第73回全国大会での研究発表「ビデオゲームにおける音響・音楽の可変性とインタラクティヴィティを巡る議論の批判的整理の試み」にて報告した。後者については内容の一部を更に掘り下げて論文にまとめたものを学術ジャーナルへ投稿したが、こちらの公開は令和5年度以降になる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献データベース作成に関しては、その基礎を構築するにあたって、既に公開されている先行研究の書誌やデータベース作成の成果を予想以上に効率よく利用することができ、順調なスタートが切れたと考えられる。一方でこれら既存のデータはかなりの誤りを含んでいることが発覚した為、今後、チェックや修正に想定外の時間が取られることも予測された。また邦文資料に関しては、今年度に行った予備調査の結果、学術論文のリストアップにはそれ程時間が掛からないだろう見通しが立った一方で、絶版となった一般関連書籍へのアクセスに困難が伴うことも発覚した。リストアップ出来た文献の内、実際にアクセス出来た資料の割合がまだ小さいため、主要な論点やキー概念の整理作業に関しては、まだ本格的に着手できる準備は整っていないが、当初の計画からこれらの作業は二年目以降になることが織り込み済みであったため、特に問題は感じていない。むしろその様な中で「研究実績の概要」で上げた様に、幾つかの主要な論点を巡っては、研究発表・報告が小規模ながらもまとめられたことは評価できると考えられる。よって全体としては「おおむね順調に進展している」という現状認識がもっとも適当と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは引き続き文献データベースの拡充につとめる。令和4年度は先行研究による書誌目録やデータベースを元にその基礎を構築したが、今後はこれらを、種々の学術文献検索サービスを用いて(特定のワード検索等で)機械的に収集した書誌情報データベースと照らし合わせながら、適宜、補完および修正を行っていく。また、論文著者本人が付与したキーワード、Web of ScienceやGoogle Scholar等の引用周りのデータも収集し、その後の研究マッピング作業の下地とする。またアクセス出来た資料から順次内容を確認し、暫定キーワードの付与、資料のテーマ別グルーピング等を行う。 重要論点のピックアップ及びキー概念や理論的枠組みの整理に当たっては、令和4年度に引き続き今後も作業が進んだ部分から進捗を学会発表等で公開していくつもりである。 その他、重要文献の選定やタグとなるキーワードの選出等にあたって、他の研究者から助言をいただいたり、意見交換が出来る機会を持ちたいと考えている。最終年度の成果発表にはシンポジウムの開催を考えている為、協力していただきたい研究者等へのコンタクトを兼ねて、文献データベースの形が整ってきた段階で、一度オンラインで討議の場(研究会等)を開くことを考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)