Project/Area Number |
22K00158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中川 三千代 筑波大学, 芸術系, 研究員 (80896647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 日仏芸術社 / フランス美術展覧会 / 1920年代 / エルマン・デルスニス / 黒田鵬心 / 日仏美術交流 / 仏蘭西現代美術展 / 地方への展開 |
Outline of Research at the Start |
1920年代、フランス美術品の日本への本格的な将来や一般公開が始まった頃、日仏芸術社は「一般美的趣味ノ普及向上」を掲げて活動し、その一環として地方都市でのフランス美術展覧会を開催した。本研究では、地方都市でのフランス美術展の実態調査を行い、当時のフランス美術普及への貢献や人々への反響を明らかにする。地方都市におけるフランス美術の実物展観は、1920年代としては際立った活動であるとともに、公衆へのフランス美術普及や美術愛好の拡大を試みた貴重な実例であり、本研究は、展覧会史に加えて、フランス美術受容史や地方文化史の深化にも資する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1920年代に日仏芸術社が運営した地方都市でのフランス美術展の実態調査を行い、当時のフランス美術普及への貢献や人々への反響を明らかにするものである。調査研究は、デジタルデータの調査と実地での文献調査によって行われ、展覧会の実施概要に加え、広報、普及活動などの関連活動および、関連人物や団体への影響を対象とする。当該年度における研究活動としては、調査が主な活動となり、デジタル化された資料を中心とする収集と整理、具体的には展覧会の実施概要等に関する未収集資料の調査、および各地域の美術館・博物館、資料室との連携による、資料の補充、リストアップを行った。 加えて、新潟、別府、福岡における展覧会に関しては、後述する実地調査と合わせて資料の充実を図った。 地域の美術館・博物館との連携に関しては、新潟、別府、福岡の3都市における展覧会の調査を重点的に実施した。事前の問い合わせから、実際に訪問しての調査を行うことで、より詳細な資料を収集することに成功した。また、特に別府で開催された展覧会に関しては、特に資料の充実が見られ、その詳細が明らかになりつつある。 令和4年度にデジタル化された資料および実地調査による資料の収集整理を行った北陸で開催された展覧会のうち、特に富山で開催された展覧会については、資料の分析を計画よりも先行して実施し、地域の美術愛好家や画家に影響を与えていることを、査読論文として発表した。このように本研究の目的である、展覧会史や地方文化史に対して日仏芸術社が与えた影響の一端を、論文という形で発信する活動にも取り掛かっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の今年度の実施目標はデジタル化された資料を中心とする収集と整理、および実地調査を中心とした資料収集と整理であった。デジタル化された資料の収集は、概ね完了しているが、一部地方都市での展覧会に関する資料収集および整理は十分とは言えず、令和6年度も継続して実施する予定である。また、実地調査を中心とした資料収集については、全12都市中6都市をすでに訪問済みであり、令和5年度と令和6年度をこの調査に充てる計画を鑑みると、現段階の進捗としてはおおむね順調であるといえる。 また、令和6年度以降に計画していた、資料の分析などについては一部前倒しして実施することができており、富山で開催された展覧会については、査読論文という形で発表することができた。この点は、計画よりも進捗が見られる点である。 総合的には、デジタル化された資料の収集整理がやや不足していること、一部の分析がやや先行していることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の計画としては、引き続き実地調査を中心とする資料収集と整理を進めるものとしている。その中でも、特にデータ化されていない資料の収集が重要な点になっている。また、令和5年度に収集した資料の整理および分析を進めていく。 まずは、前年度に引き続き、実地調査を資料の収集と整理を進め、令和6年度終了時点で、実地調査がおおむね完了している状態を目指す。並行して、デジタル化された資料の整理、分析も進め、不足分については補っていく。加えて、既に資料収集および整理が完了している都市については、その周辺情報を精査し、当時の影響、今日への影響など、重要となる部分を明確化していく。
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