Project/Area Number |
22K00181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池上 裕子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20507058)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 現代美術史 / 沖縄の美術 / 日系アメリカ人の美術 / 戦後美術 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、従来のナショナルな言説の中で周縁化されてきた社会集団の美術を「境界のモダニズム」と名付け、越境的な比較美術史の見地から、沖縄と日系アメリカ人の美術を中心にその革新性と政治性を論じることを目的とする。彼らの美術は二つの国家の狭間で常に揺れ動き、その存在が等閑視されてきた。本研究ではそうした「境界」から発信される表現が、モダンアートとしての革新性と反帝国主義的なナショナリズム批判としての政治性を獲得するメカニズムを考察することで、近年盛んになりつつある「複数のモダニズム」研究に重要なケース・スタディと理論的基盤を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来のナショナルな言説の中で周縁化されてきた社会集団の美術を「境界のモダニズム」と名付け、越境的な比較美術史の見地から、沖縄と日系アメリカ人の美術を中心にその革新性と政治性を論じることを目的とする。 令和5年度は、9月にサンフランシスコに調査に出かけ、日系アメリカ人アーティストのTTタケモトに取材を行い、サンフランシスコアジア美術館でも調査を行うとともに、村上隆展個展「Murakami: Unfamiliar People: Swelling of Monsterized Human Ego」展のオープニングイベントに登壇した。その後訪れたニューヨークでもニューヨーク近代美術館やニューヨーク市立図書館で調査を行った。また11月に沖縄県立博物館・美術館で開催された照屋勇賢展の個展を調査し、インタヴュー成果も交えた照屋勇賢論を『美術手帖』2024年4月号(3月7日に刊行)に発表した。 公開した研究成果としては上述の照屋勇賢論と、村上隆個展の図録に発表した初期村上作品に関する論文「Hiropon Reloaded: Takashi Murakami and the Transformation of Otaku Subculture」がある。また3月に来日したジュリア・ブライアン=ウィルソン教授の講演会「Where Are the Art Workers? Art, Labor, and Gender in 1960s America」ではディスカッサントを務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は公開した研究成果自体は昨年度よりも少ないが、充実した調査を行ったことで、本研究題目をテーマとする単著の執筆が大いにはかどった。そのため、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度も、沖縄とアメリカで調査を行い、その成果に基づいた単著の執筆を進めていく。
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