Project/Area Number |
22K00183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
竹浪 遠 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (70463445)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 中国絵画史 / 宋時代 / 文人士大夫 / 絵画関連資料 / 四庫全書 / 蘇徹 / 黄庭堅 / 文人画 / 蘇轍 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中国・宋時代(960~1279)の絵画を、作品・文献の両面から精査することにより、その内実を広範かつ具体的に解明する。特に『四庫全書』に収録された膨大な当時の文人士大夫の詩文集から、絵画関連の記述を抽出し、整理、公開を進めることに主眼を置く。政治・文化の担い手であった文人士大夫の作画、鑑賞に関する新資料を検出するとともに、作品調査から主題や技法、様式などに関する情報を得、宋代絵画の内実を立体的に解き明かす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中国・宋時代(960~1279)の絵画史の具体像を、作品・文献の両面から精査し、解明することを目的としている。その主軸として、清に編纂された中国最大の叢書『四庫全書』に収録された膨大な当時の文人士大夫の詩文集から、北宋後期の黄庭堅、秦観、晁補之、張耒の蘇門四学士を中心とする文人たちを主たる調査対象として、作画・鑑賞等の絵画関連記事を抽出し、整理・公開することを目指す。さらに、現存作品の調査を実施し、表現技法と主題、題跋等の文字資料の情報を記録・分析し、文献記録との関係を考察する。上記の課題を達成するため、2年目に当たる令和5年度は、『四庫全書』に収録される黄庭堅『山谷集』の通覧作業とともに、本課題の基盤となる蘇軾の文集類の記事の整理作業も実施した。 作品調査については、東京国立博物館、根津美術館、静嘉堂文庫美術館、泉屋博古館、中之島香雪美術館、九州国立博物館等にて調査・見学を実施し、関連絵画の熟覧、撮影を行った。 主な特別観覧調査および展示作品撮影:中之島香雪美術館(6月、伝徽宗「梔子小禽図」など)、東京国立博物館(7月、伝徐崇嗣「蓮鷺図」など)、福岡市美術館(10月、伝胡直夫「布袋図」など)、泉屋博古館(11月、伝楊月澗「雲龍図」など) 主な展覧会見学:鎌倉国宝館「仏画入門 ―はじめまして! 仏教絵画鑑賞―」(6月)、中之島香雪美術館「唐ものがたり」(6月)、東京国立博物館「常盤山文庫の名宝」(9月)、九州国立博物館「うるわしき祈りの美―高麗・朝鮮時代の仏教美術―」(10月)、根津美術館「北宋書画精華」(11~12月) 調査結果については、画像整理の上、主題、表現技法などに注目し、参考作品も図版類から情報収集を行って、論文化に向けての基礎資料の蓄積を図った。また、造形性の観点から文人画の見方に関する論文を執筆し、美術雑誌に寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1 文献資料の探索・読解について:『四庫全書』に収録される北宋後期の詩文集の通覧については、これまでの経験も踏まえ着実に実施できている。一方で、見出した絵画関連事項を表に打ち込む作業については、専門分野の知識をもった若手研究者にアルバイトで依頼してコンスタントに進めたものの、今年度の主眼とした蘇軾の文章の絶対量が多く、作業を次年度に持ち越さざるを得なかった。
2 作品調査: 国内に収蔵される宋代絵画および、その様式を考察する上で関連のある作品の特別観覧調査および展覧会の見学は、コンスタントに実施することができた。特に国内での中国絵画関連の展覧会やシンポジウムが多かったこともあり、そちらの調査・見学に傾注した。海外での調査については、次年度、次々年度の展覧会情報等に注目し計画的に進める。
3 特定画題の研究の進展:2024年が辰年に当たることもあり、新年には龍に関連する展覧会が多かった。この機会に宋代に大きく進展した画龍の調査にも着手し、他の研究者とも交流を図って年度末には公開研究会も実施した。論文集の刊行を目指しており、短期間のうちに一定の成果を上げることができる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
1 文献資料の探索・読解について:『四庫全書』に収録される北宋後期の詩文集の通覧作業を継続する。現在と同様のペースで週ごとの目標を立てて実施する。見出した絵画関連事項の作表作業についても、専門知識を備えた若手研究者に打込みのアルバイト作業を依頼し、促進を図る。 2 作品調査:前年度に引き続き京都国立博物館、東京国立博物館および、関西を中心とした国内の美術館・博物館の調査を行う。また、海外に収蔵される宋代絵画および関連作品についても、社会情勢に配慮しつつ調査を進める。 3 研究成果の発表:文献探索の成果を資料集として刊行するため、上記データの作表作業をアルバイトも活用して進める。特に夏季、冬季、春季の休業期間には集中的に時間をとる。また、研究により得られた知見を、論文、調査報告会、講演会、講義等によって公表する。
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