シンクロトロン光による銅青色陶磁器顔料開発と初期染付の技術史研究
Project/Area Number |
22K00205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
兪 期天 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (10819262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 公典 公益財団法人科学技術交流財団(あいちシンクロトロン光センター、知の拠点重点研究プロジェクト統括部), あいちシンクロトロン光センター, 上席研究員 (40264709)
東 博純 公益財団法人科学技術交流財団(あいちシンクロトロン光センター、知の拠点重点研究プロジェクト統括部), あいちシンクロトロン光センター, 産業利用コーディネータ (30394399)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 銅顔料 / コバルトブルー / XAFS分析 / 青い下絵付け / シンクロトロン光 / 染付 |
Outline of Research at the Start |
シンクロトロン光を用いた分析方法で、目視にてコバルトブルーの青い下絵付け陶片を分析したところ、コバルトブルー色でありながらコバルトを含まない下絵付け陶片が複数あり、それらの陶片には銅が多く含まれていることが分かった。しかし、現在の陶磁器でコバルトブルー色に発色する顔料はコバルト以外に存在しない。それが銅によるコバルトブルー色で間違いないならば、陶磁器に新たな表現を得られる新発見である。そして、初期染付とイラク藍彩の絵付け技術に注目し、青い下絵付けの発祥となる染付と銅の関連性について解明できる。本研究は、銅による青色陶磁器顔料・ガラスの新たな陶磁器表現に陶磁史的研究が含まれた総合的研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
2016、2017年に行われた太田公典の青山学院大学三上コレクション、大原美術館フーケコレクションの研究調査に参加し、これまでにシンクロトロン光による蛍光X線分析およびXAFS測定(X線吸収スペクトルを用いて化学状態を評価する方法)によって、中近東の青い下絵付けのある陶片にコバルトではなく銅が検出されるものが複数あることを確認した。 2022年2月に東洋陶磁学会研究会でその分析結果を発表し(発表タイトル《シンクロトロン光を使った呉須顔料の分析と比較「青山学院大学大原美術館西アジア陶片分析結果報告」》太田公典、兪期天、藤井茉弥)、この報告の質疑の際、村上夏希氏より、表面からコバルトが検出できない陶片の断面分析をしてはどうかとのご教示をいただき、陶片の断面における再度分析を行うことになった。 蛍光 X 線分析とシンクロトロン光を用いた断面方向からの25μのピンスポット分析でコバルトを含む層と含まれない層など、これまでに予想していなかったコバルトの層内分布を確認した。またコバルトと鉄、銅などの他酸化金属との関係などこれまで認識していない構造を見ることができた。 この結果を受けてその他の陶片も含め再度断面分析を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンクロトロン光を用いた蛍光X線およびXAFSによる釉薬断面の測定は、表面の近い部分から素地に近い部分まで位置を変えて測定を行った。金属元素は、透明釉薬より内側の部分と素地付近の部分に存在していることが分かった。鉄については素地付近と透明釉薬の内側の部分で、ほとんど同じ量で、化学状態もほとんど変わっていない一方、コバルトは素地付近には全く存在しておらず、鉄とは異なる挙動を示していることが分かった。 また銅については素地付近のほうが表面付近より量が少なく、銅による吸収スペクトルが高エネルギー側にシフトしていることから酸化状態にあることがわかった。キャピラリーを使ってシンクロトロン光を20ミクロンに絞っての分析では、コバルトを含む層と含まれない層など、これまでに予想していなかったコバルトの層内分布を確認した。またコバルトと鉄、銅などの酸化物についても、これまで認識していない構造を確認することができた。今後、陶片の断面のより詳細な分析を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
釉薬内部の金属の分布や化学状態が均一でないことがこれまでの分析で明確になったので、より詳細な金属の濃度や化学状態の空間分布をマッピングXAFS分析の専門家でもある他大学の研究者との連携を検討している。マッピングXAFS測定により、釉薬断面での金属元素(特に銅)の化学状態の分布をより詳細に解析することが可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)