日本の電子音響音楽作品における再演のためのアーカイブの方法論構築
Project/Area Number |
22K00219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 悦久 名古屋学芸大学, メディア造形学部, 准教授 (00837825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 みか子 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (50295622)
渡邊 愛 昭和音楽大学, 音楽学部, 講師 (70794600)
嘉村 哲郎 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90543710)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | アーカイブ / コンサートアーカイブ / 電子音楽 / 電子音響音楽 / ライブエレクトロニクス / 作曲 / 舞台音響技術 / 現代音楽 / 電子音響機器 |
Outline of Research at the Start |
1990年代以降の電子音響音楽は、様々なメディアテクノロジーを創作に取り入れ発展してきた。そのため、楽譜に記すことのできない音楽的、および音響的要素が多く、楽曲の全体像を捉えるには録音や映像の記録と、上演時の技術資料が必要不可欠である。 本研究では、公演の記録物を保存するとともに、技術的な側面を記述した総合的な基礎資料の構築作業を通じて、電子音響音楽創作の歩みを音楽学的に解明し、再演を含めた利活用を目指したアーカイブの方法論を導き出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
電子音響音楽の音楽的側面と技術的側面を、再演することを見通して包括的にアーカイブする方法論を導き出す本研究では、1980年代後半から現在までのコンサート資料を調査、分析することを進めている。1980年代後半から2000年代はパーソナルコンピュータが広く普及し、多くの作曲家が電子音響を作品に取り入れ、国内では日本電子音楽協会が設立されるなど、作曲家団体が主催する作品発表の場が定期的に設けられ始めた。しかし、当時作曲された作品や上演に関する資料が未整理であるため、作品の大半は再演が困難であり、また研究対象としても扱うことができない状態である。 2023年度は、コンサートの実施に関する資料や作品の上演仕様書 (テクニカルライダー) を収集し、上演に関する技術環境、並びに作品の初演時に用いられた音響機材や舞台上での設置図などから、上演に必要な条件について具体性のある知見を多数得ることができた。 【アーカイブ資料の収集】 電子音響音楽の活動に関する資料を約310点、コンサートに関する記録や資料を約250点収集、保管した。これらの資料からは、コンサート制作に関する過程や音響エンジニアの作業内容、使用した音響機材などを明らかにすることができた。発表された作品ごとの使用機材リストや、舞台上での設置および機器同士の接続に関して詳細に記された図などの資料からは、作品をリアライズするために必要な具体的な方法が記され、本研究の趣旨となる再演につなげるための電子音響音楽作品のアーカイブにおいて必要な技術的資料が明確になり、それらの資料を活用した具体的なアーカイブの方法論を検討、実践した。 【アーカイブ資料の利活用】 映像・音源資料における権利問題にも焦点をあて、アーカイブ資料の利活用に向けた権利処理の方策についても検討を行い、多くの研究者に対して有用なアーカイブ基盤となることを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、2022年度に行った作曲家やコンサート実施に関わった関係者からのヒアリングを基に、実際に行われたコンサートやその周辺の資料を収集および分析を行った。収集できた資料の量、質ともに充実しており、これまで不明確であった作品の上演に関する技術的側面の重要性を明らかにすることができた。現在は、この成果に基づいたコンサートの音響・映像システムの仕様や作品の上演に関する技術要件の記述方法について、具体的な方法論を検討するためにアーカイブの実践を通じて進展させている。
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Strategy for Future Research Activity |
①収集した資料を基に、作品の性質に応じた分類方法を導き出す。この分類に則したアーカイブ基盤データを作成し、保管および運用方法について実践を通じて検討する。 ②アーカイブ資料を利活用する上での権利問題を明確にし、専門家を交えて権利処理の方法を導き出す。 ③アーカイブ資料の公開に向けた方策を検討し、具体的な問題を解決するために試行的な運用を行う。試行運用から得られたフィードバックを基に、利活用に関するガイドラインを作成する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)