Project/Area Number |
22K00248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
五島 朋子 鳥取大学, 地域学部, 教授 (80403369)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 地域劇場 / 寄付 / デベロップメント機能 / 非営利劇場 / 非営利組織 / デベロップメント / 多元的支援 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、地域に根ざし、ミッション実現のために活動するアメリカの非営利劇場の特質を描き出すことを通して、地域社会の多様なコミュニティ・メンバーによって多元的に支えられ、また地域社会の発展を支える公共劇場の運営に関する知見を得ることを目的としている。特に、地域社会から多様な支援を開拓=デベロップメントする機能・役割に着目し、その活動の方向性や実態、成果を検証することで、劇場による地域の支援者開拓と維持のアプローチとプロセスを把握し、劇場と地域社会の関係構築における支援者開拓という専門性の意義と重要性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域に根ざし、ミッション実現のために活動するアメリカの非営利劇場の支援者拡大・資金調達の活動(デベロップメント)に注目し、地域社会の多様なコミュニティ・メンバーによって多元的に支えられ、また地域社会の発展を支えるような「公共劇場」の運営についての知見を得ることを目的としている。非営利劇場における「デベロップメント」機能が、どのような戦略と活動を展開しているのか、その実態把握からまずは検討を進めていく。 初年度は、訪問調査のための資料収集、今後の比較検討のための日本における現状把握と事例収集を行ない、特にデベロップメント機能を担う劇場スタッフに求められる技能や資質を文献および求人情報などから探った。Development Director という職名は広く一般的なものであるが、非営利劇場の事業規模が大きい場合には「大口寄付担当」や「個人寄付担当」など対象別の担当を置いたり、規模が小さい場合はマーケティング担当を兼ねるケースもあった。また、特に施設の増改築などのための臨時の大規模な資金調達キャンペーンを指揮する担当を募集するなど、多種多様な手法、目的、対象、規模の資金調達によって非営利劇場の運営が成立していることが確認できた。劇場の事業規模によって、業務内容や責任、求められる資質に相違はあるが、文章および口頭での巧みなコミュニケーション能力、部門間の理解と調整能力、精神的なタフさが求められる点は共通している。非営利劇場の運営に特化したソフトウエア(ニューヨークのメトロポリタン・オペラが開発したtessitura の他にも複数のソフトウエアがある)が、チケッティングだけでなく、顧客や寄付者管理のデータベースとしてデベロップメント活動を支えていることが分かった。現在のデベロップメント担当者に関する外形的な業務内容、スキル、求められる資質については概要を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度末に、現地調査を実施する計画があったが、コロナ禍に加えて、学務(管理職業務)多忙につき、現地調査のための資料収集が困難となり、またまとまった渡航調査期間を設けることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の学務多忙と国際的な経済状況では、当初計画していた一定期間の現地調査を複数回行うことは困難と考えられるので、研究協力者とも手分けしながら、オンラインによるインタビュー調査を集中的に行う方向で研究計画の軌道を修正する。初年度に着手できなかった、TCG(Theatre Communication Group)および、非営利劇場組織における寄付者開拓の専門コンサルタントへの連絡を進め、実践における専門家からの助言を得ながら、デベロップメント役割のこれまでの発展と現状についての理解を深める。並行して、調査予定としていた各劇場の担当者への連絡、各劇場の支援者・寄付者獲得の活動状況の調査を進め、今年度は、具体的ないくつかの劇場に関するデベロップメントの実態を把握するとともに、地域コミュニティとの関係性を検討する。 今後の日本の公共劇場のあり方にも資するよう、現在の日本の非営利劇場の寄付者開拓・支援者開拓の事例についても引き続き収集を継続する。
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