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アルミ版リトグラフ研磨技術継承への挑戦

Research Project

Project/Area Number 22K00257
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 01070:Theory of art practice-related
Research InstitutionTama Art University

Principal Investigator

佐竹 邦子  多摩美術大学, 美術学部, 教授 (30445621)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Keywordsリトグラフ / アルミ版 / アルミ版研磨 / 技術継承 / PS版 / 教育 / アルミ版研磨機 / 研磨
Outline of Research at the Start

本研究は、消滅危機にある「リトグラフ用アルミ板の研ぎの技術」の伝承と保存を目的とする。
今日アルミ版リトグラフの要である「研ぎの技術継承」は手立てがないまま、技術保持者は国内わずか一人のみとなり、その優れた技術の損失に直面している。これは、芸術分野におけるリトグラフ文化の衰退を意味するものである。そこで、本研究課題では、これまで企業秘密として扱われてきた「職人の技」を工学的に調査分析し、研ぎの技術と求められる質のデータ化を試みる。これにより技術継承のみならず、研磨技術の汎用化による制作環境の維持と表現の多様性への波及、および教育機関のより高度な指導の実現を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

① 現存 yanagida 製アルミ研磨機の CAD 化: 研磨機図面化は本研究の根幹にかかわるため大変重要な項目である。本来、業者の持つ機器は図面化しそれを譲渡することは大変難しいことから、機器の設計図面事態が残されていない場合が多いが、yanagida も同様であったことから、株式会社 KOYEI に現存の研磨機の CAD データの制作を依頼した。材料や部品のリストは、すでに廃盤のものもあったことから、現在使用できるものへと整理された。
② タイ王国のアルミ版研磨事情調査と実態: 現在、タイ王国でも日本同様にアルミ版の研磨技術が失われる危機に陥っている。、今回シラパコーン大学版画研究室の協力を得て実際にタイのアルミ版研磨業者を訪問し現地取材を行った。「マナおじさんの研磨工場」と呼ばれているタイの研磨業者は、バンコクから北西に 12km ほど車を走らせたノンタブリー県の工場街に所在する。1985 年創業で現在71歳のマナ氏は 38 年間研磨業を営み、現在タイ国内の研磨をマナ氏一人が手掛けている。研磨機材は、yanagida とほぼ同サイズ、ないし一回り大きく、仕様も一緒である。使用される原版は、日本から輸入されたフジフィルムの PS 版の使用済み版を利用しているが、日本の yanagida は裏研ぎを行うのに対して、マナ氏は表研ぎを主流とする。
③ yanagida AG Lab 展の活動 - リトグラフ制作者から見るアルミ版研磨の情報交換: 作家によるアルミ版リトグラフの表現について教育機関関係者を中心とした作品と版双方を展示準備をお行なった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

CADデータ作成にあたり、図面を制作譲渡について改めて問題となったのは知的財産権の所在であった。図面は yanagida70年におよぶ技術が込められており、ここに可視化されることから、研究協力と発表内容において速やかにレギュレーションを作成する必要が浮上した。レギュレーションの作成には、yanagida より内容の母体をご提示いただき、多摩美術大学研究支援課とも協議確認しながら進められ合意を得ることとなった。これらの経緯を経て、CAD データは完成し研究データとして利用できることとなったが、その進捗はかなり遅延したため、制作相談の協力を依頼している福井大学には今後 CAD データの解析と小型化は本格的に始動することとなる。

Strategy for Future Research Activity

図面の第一歩となる CADデータの作成には大きな意味があり、今後本格的な図面起こしと小型化への道筋が整う成果を得ることができた。今後、これらのデータを基に、福井大学産学共同チームとの連携で小型化図面製作へ移行する。また、アルミ版自体の工学的な調査研究もまだ途中であることから、これらの結果も整理し、yanagida の技術可視化に引き続き努めていく。
日本とタイとの非常に似た境遇を調査できたことも、大変意義のあるものとなった。シラパコーン大学との間で両国での取り組みを比較しながら、アルミ版リトグラフ研磨技術を大学レベルで保存する方向へ向かっていく可能性が開かれた。日本とタイの研磨技術にもよるが、作家によって必要とする砂目の荒さは千差万別である。各々に必要な研ぎが自由に設定できるような機器を制作できるかどうかも今後の検討事項としたい。
大学関係者を中心に開催する yanagida AG Lab - アルミ版研磨とリトグラフ -展(ギャルリー東京ユマニテbis 京橋)では、リトグラフ制作者による作品と使用した版の双方の展示を開催する。現在5月の開催に向けて様々な準備を行なっている。展覧会には、32 名の作家が出品。職人と作家の共演として本展を企画した。本展では yanagida の版を配布して制作をしてもらい、yanagida の版上で多様な表現を見ることができるだろう。実はこのような人数規模で、アルミ版リトグラフの作品と版の双方を同列に展示し紹介する企画は今まで見たことがない。展示だけであなくカタログ制作も進んでおり、冊子内も同様に、作品と版の双方を掲載することで、リトグラフ作品と版の関係をアーカイブできるものとする。また作家には幾つかアルミ版についてのアンケートを行っており、シンポジウムでも今後の研究に参考とされる情報共や意見交換を行い反映していきたいと思う。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report

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Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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