近現代科学の展開における図像の製作と伝達に関する歴史研究
Project/Area Number |
22K00272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 祐理子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (30346051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 俊哉 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 学術研究員 (40600060)
吉本 秀之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90202407)
橋本 毅彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (90237941)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 図像科学史 / 植物図 / 博物図 / 解剖図 / 写真 / 天文図 / 人体図 / 博物学 / 翻訳 / 科学史 / 図像 / 知識伝達 / 可視化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、(1)主に近代から現代にかけての重要な科学史上の展開がなされた場面において、その科学的探究を支えるものとして、いかに図像製作の発達が影響を与えていたかを検証する。(2)そのために、当該の場面を象徴する事例を選び出し、そこでの科学研究の対象物の画像化・可視化の技法、あるいはこれに関わる知識伝達のための図像の活用の実相がいかなるものであったのか、一次資料を用いて精査する。(3)そのうえで、各事例における科学研究の成果と同時代の社会における文化的動向との相互影響、および間-文化的なその伝播の過程をも視野に入れて、それらの図像が果たした歴史的・認識論的な役割を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度も前年度に引き続き、研究計画に基づき、自然哲学史・植物学史(主に橋本・吉本)、博物学史・化学史(主に吉本・河野)、技術史・物理学史(主に橋本・河野・田中)、生物学史・医学史(主に橋本・田中)の各領域における図像の作成・利用および伝播の事例研究を活動の中心として研究を進めた。 対面を主とする研究会合は以下の通りである:第1回(6月24日、暁星学園にて)「植物学の歴史:ディシプリン形成史に向けて」(吉本)、「東西植物図の比較史的考察(1)」(橋本)、「中島飛行機・中島航空金属、日本の毒ガス戦と図像科学史」(河野)、「北里柴三郎と日本初期細菌学の図像」(田中)、第2回(研究打合せ・駒場にて)、第3回(拡大研究会、駒場およびハイブリッド・ゲストとして久保輝幸・横浜商科大学准教授、楠川幸子ケンブリッジ大学教授にご参加いただいた)「18-19世紀の日中の植物画:特に『花彙』の植物画について」(橋本)、「『客観性』を踏まえた宇田川榕菴『植学啓原』、『植学独語』の考察2:ライデン大学所蔵宇田川榕菴植物図譜の考察を基に」(河野)、「中国図経本草の歴史」(久保輝幸氏)。 これらの会合の他に、今年度の主要な活動としては以下が挙げられる。河野がオランダ・ライデン大学図書館において宇田川榕菴からシーボルトに贈られた諸文献の調査を行ない、先行研究に新たに加えるべき史料文献情報の整理を進めるための写真資料を収集した(8月)。橋本および田中が23ICHSEA(2023年度国際東アジア科学史研究大会・ドイツ・フランクフルト・ゲーテ大学にて8/21-25開催)に参加、図像科学史研究に関して国外の研究者との情報交換および今後の研究打合せを行った(8月)。同学会で田中が北里柴三郎の微生物研究について研究報告を行ない、パネルにおいて研究伝播と図像利用に関わる意見交換の機会を持った(8月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究概要に記した通り、本研究グループは当初の研究計画に基づき、研究代表者および研究分担者の各人がそれぞれの専門領域を中心として、自然哲学史、植物学史、博物学史、化学史、技術史、物理学史、生物学史、医学史の諸領域において、図像の作成・利用および伝播の事例研究に取り組むことができた。その際には各事例について個別に詳細な研究を進めるとともに、異なる地域での同時代の事例の比較や、同地域および隣接地域内での通時的研究を行なうことで、図像を製作する技法それ自体の分析や、その伝播に関わる文献資料の探索など、間文化的な歴史叙述を目指した研究作業も試みるように努めた。これらの研究活動の成果については、研究計画で構想していた通り、最終的には書籍としてまとめることによって、一般的読者にもその知見を還元できるように準備している。その他にも、今年度の研究活動を通じて、研究計画に記していた事例に加えて、太平洋戦争中の日本における機密事項と、近年になって米国公文書館で公開が続いている航空写真に写し取られている情報との照会によって、「情報」としての写真の役割という新たな主題も研究の射程に取り入れることができた。 これらの本研究グループの研究の基盤となる活動に加えて、今年度は研究成果を国際学会の場や学会誌上に発表し、より広く近接領域の研究者による助言や批正を得るようことができたことも特記したい。以上の理由から本年度も基本的に計画に基づいて順調に研究を進めることができたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる新年度は、上述してきたこれまでの研究成果に基づき、最終的な成果となる書物の完成を目指して、研究代表者および研究分担者の各人とも、同書籍のための草稿執筆を進めることを第一に目指すものである。これについては進行のための分担計画および構成に関わる打合せも現在まで継続的に積み重ねてきており、十分な準備ができていると考えている。 これに加えて、本研究活動の成果を公表するさらなる機会を設けるため、新年度には積極的に口頭での研究発表の場を計画している。最も主要なものとしては、本研究計画が主催する研究発表のためのシンポジウムを年度後半に神戸大学にて開催する予定である。また2025年度には、書籍刊行に合わせた研究シンポジウムを計画しているほか、ニュージーランド・オタゴ大学で開催されるICHST(国際科学技術史学会)に研究分担者・橋本・河野が植物図像を主題とするパネルで参加を申請している。 以上のように新年度以降は本研究計画の成果をより広く公表していく機会を設け、社会的に本研究の知見を還元できるよう努めるとともに、図像科学史研究の領域での他の多くの研究活動の成果とも協働して、新たな研究活動が展開できることを目指したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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Author(s)
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Total Pages
266
Publisher
大阪大学出版会
ISBN
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Author(s)
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Total Pages
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Publisher
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