Project/Area Number |
22K00285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
菅原 慎悦 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (70638006)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | リスク / 原子力安全 / リスク・ガバナンス / 専門知 / 安全目標 / 認識論的不確かさ / 不定性 / 意見集約 / 科学技術社会学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、専門家の間で意見が大きくばらつくようなリスク問題について、専門家集団自身が専門知の不定性をどう認識し、どのように意見対立を緩和・解消して専門知を集約しているのかを実証的に解明することを目的とする。近年のリスク分析では、専門知の不定性が大きい場合に専門家の意見を集約する方法論が開発されているが、その内実に切り込んだ社会科学的な分析は未だ乏しい。そこで本研究では、専門知の不定性に関する分野横断的な概念整理を行うとともに、実際のリスク/ハザード評価における専門家らの不定性への認識や意見集約の過程をヒアリング等によって明らかにし、科学技術社会学的な分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、専門家の間で意見が大きくばらつくようなリスク問題について、リスク分析を支える専門知の不定性への対処のあり方を、科学技術社会学的に検討しようとするものである。2年目である2023年度は、2022年度の研究を踏まえて、原子力の安全目標やリスク・ガバナンスに焦点を当てて研究を展開した。 具体的には、まず、原子力分野の安全目標において「社会的リスク」がどのように定義され、目標体系に組み入れられてきた/こなかったのかを批判的に考察した。その結果、従来の安全目標では放射線被ばくによる直接的な健康影響以外の広範な社会的影響が十分に考慮されていないことを明らかにし、また各国の文脈を踏まえて社会的リスクの扱い方が異なっていることを示した。これらの研究結果の一部については既に論文や口頭発表として公表しており(日本原子力学会及び欧州リスク学会での口頭発表、Mechanical Engineering Journalの査読論文など)、さらに指摘した問題点を克服するための方策についても考察を行い、成果表出の準備中である。 加えて、安全やリスク問題に関する人文・社会科学的な視角も含めたリスク・ガバナンスのあり方についてややメタ・レベルの考察を行った。具体的には、van Asselt and Rennのリスク・ガバナンスに関する重要論文に関するレビューを行い、「分け過ぎることへの抵抗運動」としてこれを理解するとともに、我が国での受容のされ方や原子力分野とリスク・ガバナンスの相互参照のされ方について批判的な考察を行った。また、安全が「社会的」であることの意味についての根源的な検討も行った(リスク学研究の査読論文、科学社会学会での口頭発表など)。 また、ウラン廃棄物処分における将来世代の防護や評価期間をめぐる専門家間での議論や課題について考察し、その一部は学会で口頭発表を行った(RICOMETでの口頭発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究内容を踏まえつつ、2023年度はこれをさらに発展させて、その一部は具体的な成果表出につなげることができており、研究は順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね計画通りに進める予定である。2024年度後半から1年間在外学術研究員として国外滞在予定であり、その機会を活用して、国際的な議論の場に積極的に参画することを目指す。
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