Project/Area Number |
22K00294
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
|
Research Institution | National Institute of Japanese Literature (2023) Nara Women's University (2022) |
Principal Investigator |
岡崎 真紀子 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (30515408)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 和歌 / 歌題 / 釈教 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、平安後期から室町期に至る時期の和歌の題(歌題)を総合的に捉え、歌題がどのような発想に拠って作り出され、後代にどのように継承されたかを考証することによって、和歌史を再構築することを目的とする。具体的には、 (1)四季・恋・雑歌における、複数の概念を組み合わせて構成される歌題―いわゆる結題 (2)釈教歌における、仏教経典の句を典拠とする歌題―いわゆる法文題 をとりあげる。平安後期に初めて現れる歌題が、藤原清輔『和歌一字抄』や、『夫木和歌抄』『題林愚抄』等の類題的な撰集を経て、室町期の歌会での詠作に継承される事例を中心に、歌題と詠歌について、表現の分析と歴史的な検討をおこなう。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平安後期から室町期に至る時期の和歌の題(歌題)を総合的に捉え、歌題がどのような発想に拠って作り出され、後代にどのように継承されたかを考証することによって、和歌史を再構築することを目的とする。歌題にはさまざまなものがあるが、本研究では、 (1)四季・恋・雑歌における、複数の概念を組み合わせて構成される歌題―いわゆる結題 (2)釈教歌における、仏教経典の句を典拠とする歌題―いわゆる法文題 を研究対象とする。従来の研究では(1)(2)のどちらかに焦点をあて、時代の範囲を絞って検討されることが多かった。本研究では (1)(2)に目配りした独自な着眼のもと、平安後期から室町期までを広く射程に入れて歴史的に検討する。 令和5年度においては、上記の(2)との関連で、百首歌を主な対象として研究を行った。平安後期から室町期にかけての百首歌について調査し、「釈教」という語を歌題としてもうける百首歌がどのように現れるかを歴史的に整理したうえで、「釈教」題で詠まれた和歌の表現を具体的に分析して検討した。そもそも「釈教」は釈迦の教えを意味する漢語である。仏教に関連する和歌を、歌集の編集に際して「釈教(釈教歌)」という部立をもうけて収める意識が平安後期に現れ、ついで、「釈教」を歌題として歌を詠む意識が現れる。本年度における研究の結果、和歌における題の体系のなかで「釈教」が歌題の一つとして定着してゆく様相を具体的に明らかにした。とくに『嘉元百首』に関しては、研究成果を口頭発表と論文で公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「釈教」題については、これまでの自身の研究において仏教に関連する和歌について考察してきた蓄積と関わらせながら、研究を深めることができた。反面で、当初から計画している、四季の歌題について、とくに複数の概念を組み合わせた結題についての検討が、一時的に若干足踏みした部分があるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、おもに中世近世に成立した類題集に収められた和歌を取りあげて、所収歌の歌題を整理したうえで、出典と思われる歌集の本文との比較を踏まえながら、類題集所掲の歌題について検討を進めてゆく。それを踏まえ、最終年度となる翌令和7年度において、研究全体をまとめたい。以上の見通しのもとに研究活動を計画的に遂行することを、今後の研究を推進する方策とする。
|