近代漢詩が形成する山陰地域の文化教養環境─漢詩人と官僚・政党政治家の交遊の分析
Project/Area Number |
22K00340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
要木 純一 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00230631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 貴志 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (80588385)
竹永 三男 島根大学, 法文学部, 客員研究員 (90144683)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 若槻礼次郎 / 渡部寛一郎 / 山陰 / 政党政治 / 日本漢詩文 / 漢詩文 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近代日本の漢詩・漢学の再評価という近年の学界潮流にもかかわらず、なお研究が手薄な地方の実態を、2期6年の科研研究の成果を踏まえて究明することを目的とする。その際、全国的にも有力な漢詩結社・剪淞吟社の存する山陰地域を対象とし、渡部寛一郎ら同社の漢詩人および渡部に学んで漢詩文化を担った若槻礼次郎ら官僚出身の政治家等が形成した地域の文化教養環境の実態を、文学と歴史学の学際的研究によって実証的に解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前科研に引き続いて、渡部寛一郎文書の整理、読解を通じて、政治家若槻礼次郎が、漢詩文のやりとりを通じて、山陰地方の憲政会(民政党)後援者と連携して、いかに政党政治の基礎を築いたか、を明らかにしていった。毎月1回、本年3月まで、渡部寛一郎文書研究会を開き、日記(くずし字)の解読、日記に記された事件の背景等について、研究者同士で、討論し、共通の理解に達することが出来た。遠方よりの研究分担者、協力者の発表を中心とした特別例会は、もともと年2回、秋と春に行う予定であったが、新コロナがまだおさまらないので、開催は見送った。また、島根県石見地方の、政党政治、地方政治のあり方と主に漢詩を中心として文芸との関りについて、科研メンバー同士の理解を深めた。その成果の一部が、『山陰研究』15号で公開した、「翻刻 渡部寛一郎日記4下」である。私の授業では、学生に希少な漢詩資料の資料整理・データ作成をさせるなどして、地域研究に興味を持たせ、ひいては彼ら自らの研究スキルを磨かせることができた。 新コロナ厳戒態勢の中で、十分な成果があげにくいので、公的出張による調査研究、専門家との討議は見合わせたが、コロナが収まっている時期に、臨時の私的な旅行によって、図書館調査等を行った。 貴重資料や漢文学関係の概説等を購入して、簡単な内容紹介とともに、これらの書物を研究でどのように使うか、また、それらが持つ証拠としての限界性を、院生を中心として、学生、一般人に講じる機会を持っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
月ごとの例会により、渡部寛一郎文書を当初の予定よりも多めに解読した。その一部(渡部寛一郎日記)の翻刻は、 『山陰研究』誌で公開し、詳細な年表や解説を付して、日本漢文学、山陰地域、政党政治等の研究者に、重要な新資料を提供することができた。今年度も新コロナ対応により、特別例会が開けなかったが、Zoom等により、遠隔の科研メンバーや外部の有識者と交流ができ、様々な知見を得ることができた。また、成果のインターネット公開によって、山陰地方の文化遺産を市民に知らせることができたと思う。学生アルバイトを用いて、データベースを作らせる等の計画は、コロナにより一時中断しているが、大学の授業で、学生に山陰の明治初期の漢詩を教え、研究させることによって、若い世代に関心を引き継ぐことができたかと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ対応により、今年度も前半は月例会がリアルには開けないであろう。その代わりに、メール等の相談により、月一回から二回程度、渡部寛一郎文書の翻刻を進めていく。また、Zoom等により、遠方の研究協力者と、資料読み合わせ、意見交換会を開きたい。後半夏休み以後は、ハイブリッド研究会(近くの研究者はリアルに、遠くの研究者は会場の様子とパワーポイント資料等を撮影配布する)。IT関係の技術は、これから勉強しなければならないが、そのための費用を、今年も見積もるつもりである。今年度も、新規研究協力者を募集し、例会での発表、討議さらには『山陰研究』投稿を通じて、本研究の政党政治方面、山陰漢文学への提言を頂く予定である。 国会図書館等へ直接訪問することは、今年度中は無理なのではないか。代わりに資料、古書を多く購入して、情報を集積することになると思う。渡部寛一郎日記の翻刻に向けて、解読を進める。相変わらず、原稿まとめや校正に手間取るので、秋口までに、完成原稿に近い形にして、『山陰研究』誌上等に発表したい。また、年表、登場人物の簡単な履歴、社会背景等を、注釈の形で、研究協力者大國氏により、別個同誌上に発表していただく予定である。若槻礼次郎や山陰漢詩人の漢詩集を、学生アルバイト等を用いて、データベース化し、人名索引等を付した、翻刻をまずは稿本の形でまとめたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)