中世南都寺院における仏教史認識の研究―仏教史書と宗教的・政治的活動との相互関連
Project/Area Number |
22K00353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
三好 俊徳 佛教大学, 仏教学部, 准教授 (00566995)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 仏教史認識 / 仏教史書 / 南都寺院 / 聖教 / 大須文庫 |
Outline of Research at the Start |
本研究は院政期から鎌倉時代にかけての南都寺院で成立した仏教史書を読み解き、それをもとに南都寺院の通史的な仏教史認識の特徴を明らかにすることを目指す。具体的には、『七大寺年表』や『仏法伝来次第』などを対象として、個々の仏教史書がどのような歴史を語っているのかを分析する。それを踏まえて、他の歴史書と比較して特徴ある記事を明らかにする。さらに、その記事が記される理由を、寺院の宗教的および社会的な活動を踏まえて検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、院政期から鎌倉時代にかけて東大寺や興福寺で成立した仏教史書を読み解くことから、南都寺院における仏教史認識の特徴を明らかにしようとするものである。そのため、具体的には、以下の2つの検討を行った。①東大寺で作成された『七大寺年表』や興福寺で編纂された『仏法伝来次第』がどのような歴史書を利用しているのかを明確にする。②①の作業をとおして、各書に特徴的な記事を明らかにし、その記事が寺院社会において語られる文脈を明らかにする。 本年度は、①については、原本と目される大須観音所蔵の『七大寺年表』の写真をもとに、続群書類従本や大日本仏教全書本との校訂作業を行い、信頼性の高い本文を作成した。それに基づき、昨年度に続けて各記事の出典を検討した。『七大寺年表』の出典については、平田俊春氏や小山田和夫氏により『扶桑略記』や興福寺本『僧綱補任』など多くの歴史書や僧伝、往生伝、寺院縁起との関わりが指摘されている。それらの研究を参考にしつつ、各記事の出典を同定する作業を行った。その成果に基づき、②の作業として、いくつかの記事を他の歴史書の記事と比較検討したが、明確な成果を出すところまでは至らなかった。一方で、院政期の歴史書における大安寺の縁起について研究会で発表し、研究者と意見交換を行った。 なお、このような中世の仏教史叙述の研究成果をもとに、『中近世の寺社縁起と歴史叙述―始原の創出と変遷をたどる―』と題したシンポジウムにおいてコメンテーターを務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本文の校訂作業や出典の検討などの基礎的な作業を行うことができており、順当に研究を進めることができていると言えよう。しかし、それらの研究に時間がかかり、研究成果を論文という形で公表するところまで進まなかった。今年度の基盤をもとに、研究計画に基づき研究をさらに発展させて遂行していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づき、研究を推進する。ただし、まずは『七大寺年表』の分析を集中して進め、本研究の目的に基づく研究成果を出せるようにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)