19世紀アメリカにおける権利をめぐる文学的言説の接合の試み
Project/Area Number |
22K00410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
伊藤 淑子 大正大学, 文学部, 教授 (50223201)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | Margaret Fuller / フェミニズム / 19世紀女性作家 / Ellen Craft / Lydia Maria Child / インターセクショナリティ / 女性の権利 / 女性の権利運動と文学 / 奴隷制廃止運動と文学 / Elizabeth Stoddard / 19世紀アメリカ文学 / 女性の権利運動 / 黒人奴隷制廃止運動 / インターテクスチュアリティ |
Outline of Research at the Start |
19世紀アメリカにおけるフェミニズムと黒人奴隷制廃止および黒人差別反対運動の言説的な相互作用を文学テクストから探り、文学的想像が発するロジックとレトリックを分析する。黒人の置かれた状況を19世紀の女性作家たちがどのように読みとって伝えたか、さらに、自己の解放と主体の獲得を求める言説へとどのように変換したか、そして、白人女性作家たちの言説化の手法が黒人、とくに黒人女性にどのような文学的手法や自己表現の方法を与えたか、それらの言説が実際の社会改革の運動とどのように呼応し、多様性を包摂する声として時代を動かしていったかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はメーガン・マーシャルによるマーガレット・フラーの伝記の翻訳を『マーガレット・フラー:新しい女性の生き方』と題して出版した。フラーや関連する人たちが実際に書き残した著述や手紙、日記をもとに、多彩な引用をつないで、フラーの人生を再構築するマーシャルの伝記の書き方は、膨大な資料に基づくものであり、この翻訳をとおして詳細な資料に触れることにもなった。 この出版にあわせて、原著者の来日と講演会の開催を計画していたものの、原著者の事情によって延期となったのは残念であったが、マーガレット・フラーへの関心は日本の研究者たちのあいだで高まりつつあり、新たに数名の研究者たちとマーガレット・フラーに関する研究論文集の出版の計画が起こっていることは、今後の発展的な可能性である。 マーガレット・フラーに加え、19世紀の女性の権利の要求が女性たち自身によっていかに行われたかを検証するために、リディア・マライア・チャイルドの著書の読みこんだ。さらにその周辺のまだあまり研究の進んでいないコスタンス・ウールソンやエリザベス・スタダードの作品を考察した。19世紀の女性たちの個々の言説を歴史的もしくは社会的な文脈において接合し、現代の視点を取り入れながら、新たな意義を見出していくという本研究の基礎固めに努めた。 2023年度は2022年度につづいて、本研究の基礎的な調査と文献などの資料整理を行ったが、2024年度以降、積極的に成果の発信を行いながら、研究を進めたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による困難も解消していくなかで、想定外であったのは、遠距離介護が必要になったことであった。研究になかなか集中できない状況が続いたが、その後、生活も平常な状態に戻り、本来の研究計画に追いつきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はアメリカの学会(ALA)において、“Margaret Fuller as Educator: a timeless educational perspective of her books and articles”と題する発表を行う。また、日本ナサニエル・ホーソーン協会の大会でシンポジウムをコーディネートし、司会と講師を務める。2022年度および2023年度の成果を発信することに努めるとともに、2025年度から2026年度にかけて、原稿の執筆に専念し、本研究の最終的な目的である本の出版を目指し、19世紀アメリカにおける女性の権利の獲得によって生まれた言説が現代の状況にいかなる意味を持ちつづけているかを論じたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)