Project/Area Number |
22K00412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
相原 優子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (30409396)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ユダヤ系 / アメリカ人作家 / 親密 / アメリカ文学 / ユダヤ系アメリカ人作家 / ユダヤ系アメリカ文学 / 親密さ |
Outline of Research at the Start |
ユダヤ系アメリカ文学作品における「親密さ」を考察したいと考えている。作品には、様々な人間関係が描かれているにもかかわらず、分析が丁寧にされてこなかった。月並みな人間関係に落とし込んで理解してきたが、もう少し丁寧に斬新な角度から確認する必要があるのでは、無いかと思う。それを、ソール・ベローやグレイス・ペイリーの作品群の中で分析したいと思う。
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Outline of Annual Research Achievements |
今回の課題は、前回のテーマを踏襲したものとなっている。もとはといえば、ユダヤ民族とイスラエルの問題。そして、弱者,可傷性の問題、その延長線上に今回の「親密性」のテーマがあるといっていい。生活の至る所で、名前のつかない複雑な人間関係に囲まれていながら、従来の文学研究の中では、単純な人間関係の構図に無理やり押し込め、適当な形で分析してこなかったといえる。特に血縁関係を大切にすると考えられているユダヤ系アメリカ人作家の作品の中でどのように扱われているか確認したいと思っている。この課題の設定はユダヤ系文学に特に見られる「他者性」という概念から派生したものといえる。特にJ.D. サリンジャー、ソール・ベロー、グレイス・ペイリーの文学作品の分析を通して「親密」な人間関係を考察してみたい。「親密性」は、きわめて個人的で、私的な空間として捉えられているところがあるものの、「親密性」が機能する空間は、一般的に思われているより、ずっと複雑かつ豊潤であるといえる。サリンジャーの唯一の短編集となった『ナインストーリーズ』で描かれる人間関係は、従来の単純な枠に収まり切らず、「親密」な人間関係としか言いようのないものが描かれてあり、それをきっかけに物語を分析すれば、今まで読み取れなかったテーマをよみとることができるかもしれない。「政治性」の欠落というような否定的なニュアンスで語られることの多かった「親密性」の概念を,問い直し従来の否定的なニュアンスから解放したいと思う。この研究の最終的な目的は、ユダヤ系アメリカ文学における「平和のレトリック」を探ることにある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年は研究に専念できる重要な一年になったものの、その少し前辺りから,ひどく体調を崩し、その対応に追われた一年となった。研究に集中したいと思いつつ、その前に引き受けた仕事を片付けたり、自分の体調に合った、適当な医療関係者を探したり、治療の点でいろいろ行い、時間が必ずしも十分とは言えず、他の仕事もあり、なかなかこの課題に集中出来なかったこともある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は、より積極的に研究を実施するつもりである。体調と治療が一番心配であるが、昨年よりもペースが掴めてきたような気がする。よりバランスを考えながら、研究を続けていきたいと思う。
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