Project/Area Number |
22K00428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
廣田 美玲 獨協医科大学, 医学部, 講師 (10809510)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2026: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | 異性装 / 財産継承 / 女優 / 女性の生き残り戦略 / 女性の戦略 / 近代イギリス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、メアリ・ロビンソン、ファニー・バーニー、アン・リスターなどが、実生活で、または、彼女たちの文学作品の中で、いかに異性装を、女性の自己表現や自己主張の装置として戦略的に用いていたかということを、歴史的、文化的な視点から読み解く。 また、女性の権利や階級制を焦点とする新たな視座から異性装を捉え直し、当時の女性たちが社会への異議申し立てをどのように展開していたかということを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
論文業績としては、まず2023年7月に日本ジョンソン協会年報より「混血の女相続人ミス・ラム再考」が出版された。当論文はジェイン・オースティンの『サンディトン』に登場する混血の女相続人ミス・ラムの実像について、2019年のドラマ版『サンディトン』や当時実際に存在したドール・トマスのような混血の女相続人も手掛かりに検証した。トマスは、18世紀名を馳せた男装の海賊アン・ボニーとメアリ・リードと面識があり、混血の女相続人と異性装の女性のひとつの結節点を見ることができる。また、10月には獨協医科大学『基本医学年報』に「異性装と財産継承―シュヴァリエ・デオンとサー・シドニーの場合」と「18世紀のファッション事情―KCIコレクションより-」が掲載された。 また、8月にテクスト研究学会にて「シャーロット・チャークと戦略としての異性装」について発表をした。当発表は女優であったチャークが執筆した回想録や当時の女性の異性装の言説を手掛かりに、彼女にとっての異性装の意味を明らかにした。加えて2024年2月には、イギリス女性ライティング研究会にて「ジェイン・オースティンが描いた奴隷制―『マンスフィールド・パーク』を中心に」を帝国主義が前景化されたオースティンの当作品を中心に当時の雑誌記事などの一次資料と比較しながら検討をした。当研究課題と当作品が執筆された時代は同一で、当研究課題を実施する上での英国社会を考える点で重要である。 昨年度に続き、ファッションに関する展示に足を運んだ。10月には衣服標本家の長谷川彰良氏主催の「半・分解展」にて、18世紀から20世紀までの衣服を分解した衣服標本から衣服の内部構造を学んだ。12月には京都服飾文化研究財団にて開催された「裾引くトレーン―19世紀後半のドレス」展を訪問し、当財団所有のトレーン付きのドレスを見ることで女性服のシルエットの変遷に関し理解を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、英国での一次資料を中心とした調査研究を実施する予定であったが、急激かつ大幅な物価高騰で英国に行くことを断念したため。
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Strategy for Future Research Activity |
英国への資料蒐集は困難な状況となってしまったため、日本から資料を取り寄せる方向に変えていきたいと思う。また、その分の予算を海外での学会発表やジャーナルへの論文投稿へ使用する予定である。
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