Shakespeare and the Global Economy: The Challenge of New Economic Criticism
Project/Area Number |
22K00438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
勝山 貴之 同志社大学, 文学部, 教授 (30204449)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | シェイクスピア / 初期近代英国演劇 / グローバル経済 / 新経済批評 / 土地 / 労働 / 貨幣 / 初期近代演劇 / 16・17世紀英国 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、16世紀末に経済発展を続ける大都市ロンドンにおいて、経済力が人々の心性(ある時代の、ある社会集団の共有されている心のあり方)にいかに影響を与え、その影響が演劇の中にどのような形で表象されているかを探求しようとするものである。近年、"New Economic Criticism"の名称で注目を集めている研究方法により、「土地」「労働」「貨幣」をキー・ワードとして、シェイクスピアの演劇作品の分析を進めたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現在、科研費のもとでおこなっている「シェイクスピア作品におけるグローバル経済の影響と物質文化への人々の関心」の研究を更に発展させ、16世紀末に膨張を続ける大都市ロンドンにおいて、経済の隆盛が人々の心性(ある時代のある社会集団に共有されている心のあり方)にいかに影響を与え、その影響が演劇の中にどのような形で表象されているかを探求しようというものである。 文学作品における経済の影響を考察する批評には長い歴史があるが、近年、更に新しい批評動向が立ち現れてきた。その背景には、現代社会が従来の生産を基盤とした経済から、サービスや交換(株、投資、債務)を基準とした経済へと変化したことも影響していると考えられる。Martha Woodmansee とMark Osteenは、こうした批評動向に “New Economic Criticism”の名を冠して、作品解釈の新たな方向を模索しようとしている。 Shakespeare批評に目を向ければ、経済との関係では、Jean-Christophe AgnewがWorlds Apart (1987)を世に問うて批評界を賑わせ、それを発展させようとする研究が相次いで登場した。ここ数年、Linda Woodbridge、 Stephen Deng、 Jonathan Gil Harris、Peter Gravなどの活躍により、文学と経済をめぐる議論は益々活況を呈してきている。 本研究では、従来、「商品」とは見做されず、交換されることなど思いもよらなかった「土地」「労働」「貨幣」が交換可能な「商品」へと変貌した様子を辿りながら、シェイクスピアの演劇作品の分析を進めたい。当時のイングランドを取り巻く経済問題に焦点を当て、シェイクスピア作品におけるグローバル経済の影響と人々の心性の変化を解き明かしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本シェイクスピア協会の第60回大会において、「シェイクスピアと新経済批評」と題するパネル・ディスカッションを主催した。3月から司会役の私が声をかけて、3人のディスカッション・メンバーと準備のための勉強会を数回重ね、メールでの意見交換を繰り返しながら、テーマに関する議論を深めた。当日は、シェイクスピア作品をめぐる新経済批評の海外の動向を踏まえて、司会役を務めた私を中心に、他のメンバーがそれぞれ個別の作品を取り上げ、それらを新経済批評の立場から分析することによって、学会会員に新経済批評の方向性や、今後の可能性を披露した。 科研費研究・基盤(B)「娯楽文化史から捉えるエリザベス朝演劇ー社会変化が生み出す総合エンターテイメント」研究チームから招待講演の依頼を受けたので、私が研究を進めている新経済批評の立場から、16世紀の物質文化(Material Culture)への関心とその消費動向に着目し、「初期近代英国における娯楽としてのショッピングー消費者の登場」と題する講演を、3月4日に熊本大学で行なった。 2022年度はコロナ禍の影響もあり、予定していた海外出張も全て断念せざるをえなかった。研究は、予定通りに進まなかったものの、徐々にもとの状態に戻りつつある。今後の社会状況を見極めながら、研究の更なる発展に向けて努力していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
Shakespeareの劇作品、The Comedy of Errors、The Taming of the Shrew、King Richard II、Troilus and Cressida、Twelfth Night、Measure for Measure、The Merchant of Venice、Timon of Athensなどを中心に、引き続き調査・研究を進める予定である。 前半の6作品については既に部分的に発表済みであるが、まだ試論の段階であり、これからも調査・研究を続けて、加筆修正をしていきたい。残る2作品については、現在、資料収集中であり、資料が集まり次第、研究会や学会の場で研究発表をすることを考えている。これらについても研究者たちとの質疑応答を踏まえた後、論文執筆へと進めていくつもりである。The Merchant of Veniceについては、資料収集と並行して論文の構成を模索していおり、関西シェイクスピア研究会9月例会で研究発表をすることになっている。また日本シェイクスピア協会から、Jane Hwang DagenhardtのGlobalizing Fortune on The Early Modern Stage(2022)の書評を依頼されているので、その準備も進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)