Dupatyの旅行記の文体論的分析:前ロマン主義の旅行記における詩性の解明
Project/Area Number |
22K00471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
野澤 督 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (50773438)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | デュパティ / 旅行記文学 / 前ロマン主義 / フランス文学 / 18世紀文学 / 現実描写 / 文体論 / 旅行記 / 18世紀文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、フランスの前ロマン主義時代(1770-1815)の旅行記作品における詩性を明らかにするために、デュパティのイタリア旅行記の表現手法を文体論的観点から分析する。まず、ロマン主義的旅行記記述の先駆と位置づけられるデュパティの『イタリアに関する書簡』(1785)の語りや描写の構造や、そこで用いられているアナロジーや比喩等の修辞技法を分析し、その特徴を体系づける。次に、前ロマン主義時代の他の主要な旅行記作品と比較することでデュパティの旅行記記述の特徴を整理する。そこから、前ロマン主義時代における旅行記記述の詩性の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀のフランス人旅行者デュパティの旅行記『イタリアに関する書簡』に描かれているイタリアの表象を分析することにより、彼の旅行記記述の特徴を整理、考察することで、フランスの前ロマン主義時代における旅行記の詩性の一端を明らかにすることを目指している。 2023年度はデュパティの『イタリアに関する書簡』の文献調査に集中して研究活動を行った。デュパティのイタリア旅行記に描写されている南イタリアにあるローマ、ティヴォリ、ナポリ、そしてその周辺地域の描写に焦点を当てて、描写されている対象について整理し、そのなかでもとくにポンペイ、ヘルクラネウム、パエストゥムの古代の遺跡の描写に対象を絞り、旅行者がむけたまなざしについて分析を試みている。デュパティの視線は、彼が訪れたイタリアに見られる廃墟へ向けられ、そこから古代イタリアの姿を想起する点において、ロマン主義時代の旅行記作家であるシャトーブリアンの旅行記に見られる「外界の内面化」の手法が用いられているという共通点があることが明らかとなった。 最後に、昨年度実施できなかった現地調査を行った。年度末にデュパティの旅行記に描かれている南イタリア地方へ赴き、旅行記にて再構成された南イタリアの世界と現実世界の比較を行うために情報収集を行った。とりわけローマ、ポンペイ、ヘルクラネウム(エルコラーノ)、ポンペイ、サレルノにて、旅行記にて再構成されたイタリアとの対照を試みた。現在はその調査で得られた情報と旅行記の記述内容の比較を中心に作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デュパティの作品分析については概ね予定どおりに文献調査は進んでいる。また、昨年度実施できなかった実地調査により得られた成果とテキストを対照させていくことで今後の文献調査の方向性も明確になった。 しかしながら、その作品分析にあてている時間が当初目論んでいたより多くの時間を要している。それにより、今年度予定していた文献調査のうち18世紀の他の旅行記作家たちの文献調査が申請時に想定していたように進んでいないため、デュパティの旅行記記述の特徴を指摘するところは2023年度終了時点では到達できていない。また、遠隔で実施を予定していた海外研究者との交流は調整がうまくいかず、年度内に実施することがかなわなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
デュパティの旅行記作品の分析については概ね順調に進んでいる。継続して同種の作業を行い、2023年度に実施した現地調査の成果を基にデュパティ作品における現実描写の特徴を整理し、研究成果を口頭発表や論文にして公表していく予定である。 また、予定より遅れている18世紀の他の作家たちの旅行記記述(ベルナルダン・ド・サン=ピエールやヴォルネイ)についてもすでに並行して文献調査に取りかかっている。海外研究者との意見交換も未実施のため、実現に向けて再度調整をしていく。これらの遅れを取り戻すためにエフォート管理の見直しを図り、研究を進めていく予定である。 2024年度は最終年度にあたるため研究の総括をする場を設ける。イタリア表象に関するシンポジウムの企画を年度後半に行えるように考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)