Project/Area Number |
22K00472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
横山 安由美 立教大学, 文学部, 教授 (10267552)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | フランス文学 / 15世紀 / クリスティーヌ・ド・ピザン / シャルル・ドルレアン / 『薔薇物語』論争 / 女らしさ / マノン・ガルシア |
Outline of Research at the Start |
15世紀フランスは戦乱やペスト禍で混迷を極めたが、シャルル・ドルレアン、クリスチーヌ・ド・ピザン、ヴィヨンらによって、多分野に渡り類を見ない述作が展開された。本研究ではフランスの一次資料を文献学的に精査したうえで、当時の文学作品を社会背景から立体的に読み解き、独自性を考察する。封建社会の衰退期においては国家観、宗教観などの社会思想が大きく変容し、人々は困難な生を独自の美的経験へと昇華していった。『薔薇物語』論争やジャンヌ・ダルクの同時代証言などの個別課題を通して、新しい自我の表現と社会的連帯の感覚を実証してゆく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は15世紀フランス文学の思想史的価値の再評価を目指すものであり、令和5年度は当初掲げた複数の課題のうち、1.「『薔薇物語』論争」の精査、2.詩作品の翻訳、を中心に研究活動を行った。 1.については、引き続き15世紀初頭の論争資料原典を読み解いて当時の知識人社会における女性のあり方を検討した。レンヌ第二大学CETMの中世フランス文学の性とジェンダーについての連続セミナーに継続的に参加したが、フランスにおいてクリスティーヌ・ド・ピザンやシャルル・ドルレアン等の15世紀の詩人たちについての研究活動が活発化しており、参加者たちとの交流を通して、「若さ/老い」の表現はジェンダー意識と密接に関連するものであるとの知見および具体的検討材料が得られた。さらに「女らしさ」のひとつとして古代から認識されている「服従」の問題について、哲学者マノン・ガルシアの著書『生まれつき男社会に服従する女はいない』を翻訳、出版することによって、哲学史的な服従の位置づけを明らかにし、今後それを中世フランスの作品に適用して検討する可能性を得ることができた。 2.については、フランス最初のフェミニスト宣言としても評価される、クリスティーヌ・ド・ピザンの『愛神の書簡』(1399)の翻訳に着手した。同書のなかで詩人はオウィディウスや『薔薇物語』などのミソジニー(女性蔑視)作品を理論的に批判しており、当時のフェミニズム的理論構成がどのようなものであったかが明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は一年間のフランス滞在を行って資料を収集し、令和5年度においてそれらのまとめや精査を行った。それと同時に令和5年度はレンヌ第二大学CETM主催の中世フランスの性とジェンダーに関する連続セミナーやシンポジウム(「ジェンダーから見る中世文学―認識論的、倫理的、教育的問題―」、令和6年3月13日~15日)にオンラインで参加し、マルチディシプリナリーな研究者間の交流を通して新たな発見を行うことができた。一方で、研究成果を論文にまとめる十分な時間をもつことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、15世紀文学におけるジェンダーの問題について論文を執筆し、翻訳も引き続き進める予定である。また7月後半に、エクス=マルセイユ大学で開かれる国際アーサー王学会大会に参加し、中世の文学と歴史の関係について研究者間で意見交換を行うとともに、帰路パリに寄ってパリ国立図書館等で不足している資料の収集を行ったり、パリ在住の研究者と意見交換を行って研究を深め、成果の公開につなげてゆく予定である。ただし円安が加速しているため、滞仏の日程が限定されることが懸念される。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)