Project/Area Number |
22K00477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
浅野 淳博 関西学院大学, 神学部, 教授 (20409139)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | ローマ書簡 / 使徒パウロ / カタコンベ / 墓碑銘 / ユダヤ教シナゴーグ / 古代ローマ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、考古学と文献の資料分析により古代ローマ市のシナゴーグとキリスト教会との組織的連続性を示すことで、結果的にキリスト教とユダヤ教との関係性を非連続的と見なす一般理解の背後にある代替主義的歴史観を見直す。これはパウロが執筆したローマ書簡を歴史的文脈に置いて理解することの助けとなり、さらに波及的に現代の宗教間対話を促すことに繋がる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究においては、まずカタコンベ出土の墓碑銘から描き出すユダヤ人会堂と対比すべく、その対比対象であるローマ市内の原始教会の様子を、使徒パウロが執筆したローマ書簡を精査することをとおして確認する作業に時間を割いた。これによって、ユダヤ人会堂と対比すべき原始教会の様子がある程度判明したと思われる。ローマ市内の原始教会が、ユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者の共生によって成り立ちつつも、その関係性がかならずしも良好でなかった様子を確認することができた。そしてその理由としては、クラウディウス帝による後49年のユダヤ人追放令が大きく影響しているという近年の議論が、もっとも説得性があるだろうとの結論に至った。
上の研究を受けて、あるいはこれと同時進行する仕方で、ローマのカタコンベ出土の墓碑銘の内容の精査をも開始した。この作業においては、Harry Joshua Leon著『The Jews of Ancient Rome』を参考にしつつ、一つ一つの墓碑銘の内容をチェックする作業を開始した。まだこれは開始したばかりで結論には至っていないが、現在のところでは、墓碑銘のほとんどが死者の社会的地位や職業に言及するのでなく、ユダヤ人会堂における役職に言及するという傾向があることを発見した。これはカタコンベ自体が、非常に宗教的な施設であることを知らせているということなのかも知れないが、これに関しては、今後のさらなる調査を待たなければ最終的な判断はしかねる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献の調査に関してはおおむね計画どおりに進んでいるが、今年度に計画をしていた現地視察を中止せざるを得なかった。これは、本研究において重要な文献の一つである使徒パウロのローマ書簡が執筆されたコリントとその外港であるケンクレアを視察するという計画であった。購入した航空券に誤りがあったために入国拒否されるリスクがあることが出発直前に判明し、急遽ギリシャ行きを中止せざるを得なかった。したがって2022年度は現地視察を断念した。この視察は本研究を当時の歴史に根ざしたものとするために重要なので、2023年度には是非実施したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に開始したカタコンベ出土の墓碑銘を精査する作業を完了したいと考えている。その際に、Harry Joshua Leon, The Jews of Ancient Rome (Philadelphia: The Jewish Publication Society of America, 1960)を参考にして、墓碑銘における死者の会堂における役割に関する分類を行う予定である。
この作業をとおして、年度の終わりには「シナゴーグの父・母」に関する論文の執筆を開始し、この研究発表をすべく、米国学会へ応募する予定でいる。
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