Project/Area Number |
22K00511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
大岩本 幸次 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10336795)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 漢西字典 / パルメイロ書簡 / マンダリン / 清代漢語 |
Outline of Research at the Start |
宣教師が整理した漢語語彙集の多くについて、それらは先行資料をどう受け継ぎ、どこをどのように変更して編纂されているのか、また、こうした資料に反映される漢語はどのような特徴を有するものかといった問題について、なお詳細が明らかでない部分も多いのが現状である。本研究は、こうした問題に関連して、『漢西字典』独自の語彙について具体的に検討を加え、それらの語彙に反映される音韻特徴や、語彙の来源となった資料などに関する一定の答えを得ることで、近世漢語史研究の進展に資することを目的とするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国清代(1636~1912)にフランシスコ会修道士が編纂した漢語の語彙集である『漢西字典』(1740年頃)に着目し、康煕52(1713)年成立の字典『漢字西譯』など他の関連資料との内容の比較を通して、『漢西字典』に収録される独自の語彙について具体的に検討を加える。この作業により、『漢西字典』所収の語彙に反映される音韻特徴や、語彙の来源について考察し、清代の言語状況や宣教師資料の編纂過程の一端を明らかにすることにつなげ、近世漢語史研究の進展に資することを目的とするものである。 2023年度については、前年度に引き続き、『漢西字典』の収録字に記されている解説などの情報を、先述の『漢字西譯』や、バイエルン州立図書館に所蔵されるという『漢西字典』など他資料のものと一字ずつ比較する作業を行った。これら他資料にみられる語彙や解説は、『漢西字典』にみえる内容と一致する部分が多く、『漢西字典』にみえる誤りや不鮮明箇所などを修正する点においても有用である。これらは『漢西字典』編纂に際して用いられた資料と何らかの関連を有していることがうかがえ、『漢西字典』の内容を深く考察する上で欠かせない。 また、上記の作業と並行して、1632年8月5日付で巡察師アンドレ・パルメイロ(Andre Palmeiro/1569-1635)からイエズス会総長ムティオ・ヴィテレスキ(Mutio Vitelleschi/1563-1645)に送られた、いわゆるパルメイロ書簡に記録される漢語の語彙について検討を行った。この作業では、書簡の漢語表記をあらためて整理したうえで、『漢西字典』も参照しつつ、書簡に記録される声調や語頭子音に関して考察を加えた。なるべく多くの関連資料に目配りしながら、『漢西字典』の調査・考察を進めて行ければと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訳注を作成しながら書の内容を詳細に検討していく作業に関して、最終的に年度当初に予定していた箇所まで作業が終了しなかった。この点に関して、年度の前半に他資料の検討作業を行ったことが影響したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、遅れを取り戻すことに努め、かつ作業量の配分などに注意しつつ計画的に研究を推進していく所存である。
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